主に中高生〜青年層をターゲットとし、文体や挿絵構成に工夫が凝らされた小説のこと。一般小説と比べると、異質な点が多量に存在するため、今日では「ラノベ」という新分野として扱われている。
意外にも歴史は古く、1967(昭和42)年に発刊された筒井康隆「時をかける少女」あたりが源泉と言われる。
もっとも、その頃はライトノベルではなく、ジュブナイル小説というカテゴリー分けであった。
その後、神坂一「スレイヤーズ」や深沢美潮「フォーチュン・クエスト」などなどにより、ライトノベルの地位は徐々に確立されていく。
ラノベの条件
- 大抵の作品は、「萌え (+エロティシズム)」あるいは「燃え」で構成されている。特に前者が、児童文学との決定的な違いである。
- もちろん例外もあり、時雨沢恵一「キノの旅」など、そのまま児童文学で通じそうな作品もある。桜庭一樹「GOSICK」に至っては、ミステリー扱いだった。
- ジャンルや内容については、多種多様なため、単純に分類することは難しい。
登場人物
総じて、主人公が若い。よく見かけるのは、中学生〜高校生位の年齢のキャラクターである。
少年向けライトノベルであれば女性キャラが、少女向けライトノベルであれば男性キャラの比率が高い傾向にある。
舞台
魔法が当然の異世界であったり、何か違うパラレルワールドであったり、はたまた普通の日本だったりと、バリエーション豊かである。
- 読者層を鑑み、読みやすい文体で書かれることが多い。
- 挿絵が多めであり、加えてアニメコミック調であることが大半である。
- 表紙絵もまた、アニメコミック調が基本である。
- カギ括弧から成るセリフ文の多用は、ライトノベルにとっては全く問題ないとされる。
- 擬音(ガガガッ、ゴーッ、など)のベタ書きは、一般文学にとって御法度だが、ライトノベルではやはり問題ない。
- メディアミックスも盛んであり、ドラマCD化・アニメ化は日常茶飯事である。人気によっては映画化も。
- 名前こそ違う各レーベルだが、半数程度は角川グループ傘下である。
- 各レーベルは、大抵1つ以上の小説賞を開設しており、毎年多くの挑戦者によって作品が応募される。受賞した暁には、メディアミックスを含めた好待遇が待っていることも多々。ただし、ケースによっては倍率500倍という狭き門である(電撃文庫大賞)。
- 電撃文庫 (アスキー・メディアワークス)
- 富士見ファンタジア文庫 (富士見書房)
- 角川スニーカー文庫 (角川書店)
- ファミ通文庫 (エンターブレイン)
- ガガガ文庫 (小学館)
- GA文庫 (ソフトバンク・パブリッシング)
- HJ文庫 (ホビージャパン)
- 一迅社文庫 (一迅社)
- コバルト文庫 (集英社)
- 角川ビーンズ文庫 (角川書店)
- ルルル文庫 (小学館)
- スレイヤーズ (1990‐、神坂一)
- 魔術士オーフェン (1994‐、秋田禎信)
- マリア様がみてる (1998‐、今野緒雪)
- ブギーポップは笑わない (1998‐、上遠野浩平)
- 灼眼のシャナ (2002‐、高橋弥七郎)
- キノの旅 (2003‐、時雨沢恵一)
- 涼宮ハルヒの憂鬱 (2003‐、谷川流)
- ゼロの使い魔 (2004‐、ヤマグチノボル)
- デュラララ!! (2004‐、成田良悟)
- とある魔術の禁書目録 (2004‐、鎌池和馬)
- 狼と香辛料 (2006‐、支倉凍砂)
- 黄昏色の詠使い (2007‐2009、細音啓)
- 五年二組の吸血鬼 (2011‐、糸緒思惟)
関連する用語
小説