オランザピン

読み:オランザピン
外語:Olanzapine 英語
品詞:名詞

メジャートランキライザー(抗精神病薬)の成分。チエノベンゾジアゼピン系抗精神病薬の一で、MARTAに属する。D1/D2・5-HT2A拮抗剤。

目次

分子式C17H20N4S。分子量312.44。CAS番号132539-06-1。化学名2-methyl-4-(4-methyl-1-piperazinyl)-10H-thieno[2,3-b] [1,5]benzodiazepine。

オランザピン
オランザピン

1982(昭和57)年にイーライリリー・アンド・カンパニー英国リサーチセンターで開発された。

効果・効能

統合失調症(精神分裂病)薬で、その病気に伴う幻覚幻聴、被害妄想などの治療に使われる。

医師によっては鬱病に使うこともある。

ごく少量を、神経性の頻尿に使うこともあるようだ。

薬効薬理

統合失調症の原因として、大脳皮質前頭野でのドーパミンD1系の機能低下や、グルタミン神経系の伝達障害が疑われている。

オランザピンは、大脳皮質前頭野でドーパミンノルアドレナリンの遊離量を増やし、もってグルタミン神経系の伝達機能を回復させると考えられている。

作用機序

オランザピンは様々な受容体に結合し、統合失調症における、陽性症状、陰性症状、認知障害、不安、鬱、などに広い効能を持つ。

オランザピンは、次の受容体に高い親和性を示す。

  • ドーパミンD2タイプ受容体(D2、D3、D4)
  • セロトニン5-HT2受容体(2A、2B、2C)
  • セロトニン5-HT6受容体
  • α1-アドレナリン受容体
  • ヒスタミンH1受容体

オランザピンは、次の受容体にやや弱い親和性を示す。

  • ドパミンD1タイプ受容体(D1、D5)
  • セロトニン5-HT3受容体

用法、用量

成人で1日5mg〜10mgを1日1回経口投与を初期用量とし、1日10mgを維持量として1日1回経口投与する。

年齢・症状に応じて適宜増減する。

ただし、1日量は20mgを超えてはいけない。

副作用など

過眠の副作用のほか、過食傾向や血糖値の上昇、体重増加などの副作用が報告されている。

規制区分

物質の特徴
抗精神病薬
非定型抗精神病薬
MARTA
成分に含む主な製品
ジプレキサ

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