V-Low帯
読み:ヴィー-ローたい
外語:V-Low band

 日本の地上アナログテレビジョン放送で使われていた電波帯域(テレビ放送帯)のうち、VHF帯のうちの1〜3チャンネルの周波数帯のこと。
目次

概要
 90MHz〜108MHzが該当する。
 国際的には108MHz以下のVHF帯をFMラジオ用として使用している。日本では、76MHz〜90MHzをFMラジオに用い、90MHz〜108MHzまではテレビの1〜3チャンネルに割り当て、4〜12チャンネルを別のVHF帯の周波数に割り当てた。このためVHF帯でのテレビ用周波数は二分されることになり、V-Low帯/V-High帯と呼ばれるようになった。

特徴

方針
 V-Low帯の18MHz幅は、地上アナログテレビジョン放送の終了に伴い、未使用帯域となった。
 そこで総務省は、「携帯端末向けマルチメディア放送の実現に向けた制度整備に関する基本的方針」を2009(平成21)年8月28日に公表し、無線局の免許や委託放送業務の認定などについての方針を示した。

FM補完放送
 中波放送(AM放送)の難聴対策として超短波放送(FM放送)によるサイマル放送「ワイドFM」が開始された。
 V-Low帯は様々な補完中継局が使用することとなったが、うちFM放送で使用される「その他の補完中継局」の周波数帯域は次の通りである。
 放送自体は従来のFM放送と同じためFMラジオで聴取可能だが、従来使われていなかった90MHzを超える周波数を使うため、対応したFMラジオでないと聴取することができない。
 なお、特別に対応していないものであっても、過去にアナログテレビの1〜3chまでの音声受信に対応したラジオなら、古いラジオであっても聴取できる。

マルチメディア放送
 2016(平成28)年3月よりV-Lowマルチメディア放送「i-dio」(アイディオ)の放送が開始された。福岡、大阪、東京で放送開始され、順次全国拡大される計画である。
 簡単に言えば、ディジタルラジオにデータ放送が追加されたものである。
 周波数帯域は次の通りである。
 無料、契約不要、受信機があれば聴取できることは従来のラジオと同様である。
 またi-dioの電波を使い地方自治体が情報提供を行なう防災情報システム「V-Alert」にも対応している。

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