RSTパケット
読み:アーエスティー-パケット
外語:RST packet

 TCPのパケットで、RSTフラグを1にしたもの。
目次

概要
 TCPでの通信で、正しくないパケットを受け取った時に通信リセットの指示をする場合に、このビットを立てた(1にした)RSTパケットを相手に送る。
 RSTパケットを受け取った側は、接続要求や通信状態が拒否されたものとみなし、どのような遷移状態であっても通信はリセットされ、TCPの状態もCLOSEDに移行し、TCBは削除され、終了しなければならない。
 通常の、丁寧に切断するFINパケットを用いる方法と違い、強制的に切断する行儀の悪い方法である。

特徴

用途
 正常な通信でないと判断されたとき、RSTパケットを相手に送りつける。
 RSTパケットを送信した側は、基本的にはこれにて通信は終了し、TCPの遷移状態はCLOSEDに移行する。
 Windowsなどの実装では、FINを使わずRSTで切断しようとする実装がある。これは非常に行儀の悪い動作であり、すべきではない。

フォールバック
 TCP/IPv6を使った場合、IPv6で到達性が無い場合はTCPがタイムアウトするまで待つことになる。IPv6の実装は、IPv6の到達性が無いと判断したところでIPv4にプロトコルを変更(フォールバック)し、次にTCP/IPv4で通信を試みる。
 この機構のため、IPv4しか想定されていない、またはIPv6でのグローバルリーチャビリティが無い網の場合は、Webページの表示に時間がかかったり、通信が行なえなくなるといった問題が生じる。
 そこで、閉域網内に存在しない宛先に送信されたIPv6パケットに対してはRSTパケットを返信することで、早急にフォールバックを行なわせている。

動作
 ステートごとに規定された大まかな動作を示す。

SYN-RECEIVED
 SYN-RECEIVED、つまりSYNを受け取りSYN+ACKを送信した状態で、返答のACKを待っている時にRSTパケットを受信した場合は、CLOSEDに移行し、TCBは削除され、終了する。
 実際に通信することなく、TCBは消滅することになる。

通信中
 通信中とは、次の状態である場合をいう。
 この場合、通信はリセットされ、CLOSEDに移行し、TCBは削除され、終了する。

終了中
 終了中とは、次の状態である場合をいう。
 この場合、CLOSEDに移行し、TCBは削除され、終了する。

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