RFC
読み:アーエフスィー
外語:RFC: Request For Comments

 インターネットで実験的にまとめられたプロトコルなどに関するドキュメントのこと。
 この文書には「RFC xxxx」という番号が付いていて、番号で呼ばれる。一度公開されたものの内容の更新は番号を変えて行なう約束になっている。
目次

概要

起源
 「Request For Comments」とは、「コメントを下さい」という意味である。
 その名の通り、今のように電子メールが動く以前、ネットワークが実際に動く以前から、これらを実現するための方法を考えメモを書き、それを配って意見を求めていたのである。
 1969(昭和44)年4月7日に発行されたRFC 1を由来に、やがてインターネットの重要性が増すにつれてRFCの発行数も上昇を続けた。
 30年間でRFC 2555: 30 Years of RFCsに到達。そして40周年にはRFC 5540: 40 Years of RFCsとなり、この10年間でそれまでの30年間に発行されたRFCの数を超える数のRFCが発行された。
 RFCは元々は軽いノリの文書だったと言われているが、現在ではこれがインターネットの仕様を左右するような大事なものになっている。しかしその元々の誕生由来を大切にしてか、毎年エイプリルフールには「ジョーク」の書かれたRFC、通称ジョークRFCが発表されている。

インターネットの規格
 インターネット上で扱われる規格はITU-TやOSIのような国際標準規格ではなく、デファクトスタンダードとして実装されることで、標準として認定される。
 これらの標準化はISOCIABが中心になって行なわれており、そのIAB自体もRFC 1160によって定義されている。

標準化作業

作業
 RFCは2012(平成24)年3月時点で6500番を超えている。
 しかし「標準」とされるものは、この中でもほんの一握りにすぎない。多くの文書は、情報提供であったり、草案であったりする。
 標準化作業は、まずIETFが技術テーマ毎に作業部会を設置してこれを中心に技術検討を行ない、最終的にIETFがリーダシップを取るIESGの推薦によってIABがインターネット標準を決定するという過程を経る。

過程

種類

標準化状態
 RFCで規定されるプロトコル仕様は標準化の過程として6段階の標準化状態(state)があり、この標準化の手順はRFC 1310「インターネット標準化プロセス」で規定されている。
 6種類の標準化状態は、次のとおり。
  1. 標準 (Standard)
  2. 草案標準(ドラフト標準) (Draft standard)
  3. 提案標準 (Proposed Standard)
  4. 実験 (Experimental)
  5. 情報提供 (Informational)
  6. 歴史的 (Historic)
 なお、標準プロトコルとして規定されたプロトコルについては、RFC番号と別にSTD番号が割り振られている。

標準
 プロトコルの標準化は、まず提案標準プロトコル(Proposed Standard)(将来的に標準化を検討すべきプロトコル)から始まる。
 最低でも半年以上の開発・運用経験を経た上で、二つ以上の実装と相互接続などの実績をもって草案標準プロトコル(Draft Standard)(標準プロトコルの候補)に昇格となる。
 そしてこれがインターネット上で広く利用され、4ヶ月以上の検証を受けることで、遂に標準プロトコル(Standard)への昇格の機会が与えられる。

標準外
 実験(Experimental)は、標準化を目的としたプロトコルと別に、研究プロジェクトなどで実験目的に実装されるものである。ただ、場合によってはこういったプロトコルでも標準プロトコルとして提案される場合もある。
 情報提供(Informational)は他の標準化機関やベンダーなどが開発したIABの検討範囲外のプロトコルであり、情報として発行される。ジョークRFCは一般にInformationalとして発行されている。
 歴史的(Historic)は仕様の更新や重要性が少なくなったことで廃棄されたプロトコルのことである。

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