MCA無線
読み:エムスィーエイむせん
外語:MCA: Multi Channel Access
第三者無線
ともいう、業務用無線の一つ。日本国内でも組織により呼び方は様々だが、総務省は「MCA無線」としている。
目次
概要
特徴
構成
機構
2周波方式
制御局
周波数
周波数再編
概要
MCA方式
と呼ばれる方式により、一つの制御局を共同で利用する無線システムで、複数の通話用チャネルの中から空いたチャネルを、その指令に基づいて共同利用する。
携帯電話に似ているが、利用者は同じ識別符号を持ったグループ(会社など)単位でのみ交信でき、他のグループとの交信はできない。
アナログ時代は同じ制御局の圏内同士でしか通話できなかったが、ディジタルの場合は制御局間が専用線で結ばれ、無線ゾーンの異なる端末間の通話も可能となった。
特徴
構成
システムは、次によって構成されている。
制御局 ‐ 事業主体が設置し、管理する
移動局/指令局 ‐ 利用者が設置し、管理する
機構
ディジタルとアナログがあるが、システムの構造は同様である。
MCA方式
の特徴として、MCAに割り当てられた周波数帯域は分割してチャネルとし、それを制御用チャネルと通話用チャネルに分けている。
実際に通話する際に用いるのは通話用チャネルだが、空いているチャネルを制御局が管理しており、利用者はそのチャネル割り当ての信号を制御用チャネルで受け取ることになる。
一つの制御局の電波を複数が共同で利用するため、携帯電話などと比較しても安価である。また、料金は定額制となっている。但し、通信(通話)は1回数分間に限定されており、かつ半復信(
半二重
)のみという制限がある。
2周波方式
MCA無線は、制御局→利用者と、利用者→制御局の、二つの周波数を用いる。
しかし、基本的には半復信、つまり交互にしか交信できない仕組みである。どちらか一方が話している間は、こちらから話すことができない。これを「二周波半復信」という。
このような方式は、MCA無線の他に、警察無線やタクシー無線など、基地局を中心とした無線方式でよく使われている。
制御局
一つの制御局あたりのサービスエリアは半径約15km〜30kmである。
通信は常に制御局で中継され、移動局間や指令局との直接交信はしない。
制御局の運営管理のための月額基本料が必要となる。極端に通話回数が多くない限りは、必要な料金は基本料のみである。
しかし、一般的な用途では携帯電話などで事足りるためか、局数は減少の一途をたどっている。
周波数
当初はアナログ方式だったが、1994(平成6)年4月からディジタルによるサービスも開始された。アナログ方式は廃止が前提である。2018(平成30)年3月31日までに終了することになっている。
アナログ方式
800MHz帯 (2018(平成30)年3月31日までに終了)
1500MHz帯(1.5GHz帯)
(廃止済)
ディジタル方式
800MHz帯 (2018(平成30)年3月31日までに周波数を変更する)
1500MHz帯(1.5GHz帯) (2014(平成26)年3月31日に終了)
周波数は国の方針(電波法等の改正)によって不定期に変更されている。その都度、新しい無線機に交換する必要が生じる。
また、1500MHz帯(1.5GHz帯)は、ディジタル方式のmcAccessおよびNEXNETとしてサービスされているが、これらは2014(平成26)年3月31日に終了する。以降は、この周波数を
NTTドコモ
が携帯電話サービスに用いることが決まっている。
周波数再編
2003(平成15)年以降、ディジタル化したMCA無線は、下り850〜860MHz、上り905〜915MHzが使われていた。
このうち、上りに使っている900MHz帯は、逼迫する携帯電話用の周波数確保のため、周波数を移動して再編することになった。
変更前
900〜905MHz(5MHz) ‐ 混在 (
パーソナル無線
など)
905〜915MHz(10MHz) ‐ MCA無線
915〜950MHz(35MHz) ‐ 携帯電話
950〜958MHz(8MHz) ‐ RFID(
特定小電力無線
のRFID) [期限2018(平成30)年3月31日]
958〜960MHz(2MHz) ‐ 放送事業用固定局(STL等) [期限2015(平成27)年11月30日]
変更後
900〜915MHz(15MHz) ‐ 携帯電話
915〜930MHz(15MHz) ‐ RFID(特定小電力無線のRFID)
930〜940MHz(10MHz) ‐ MCA無線
940〜945MHz(5MHz) ‐ ?
945〜960MHz(15MHz) ‐ 携帯電話
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