衛星放送
読み:えいせいほうそう
外語:Broadcasting by Satellite

 静止衛星を使ったテレビ放送やラジオ放送。
目次

概要
 地上の放送局から一旦人工衛星に電波を送り、人工衛星から地上の広範囲に再送信されてくる電波を各家庭の受信アンテナで受信する方式。
 衛星放送のためだけに用意された静止衛星を放送衛星(BS)と呼び、従来はこれによる放送のみを指していた。1989(平成元)年の放送法の改定により、1992(平成4)年から一般通信用の通信衛星(CS)での放送サービスも開始されてからは、これによる放送も含めて衛星放送と呼ぶようになった。なお、それまでは通信衛星の電波を個人で受信することは禁止されていた。

特徴

用途
 通信衛星を用いた放送は放送衛星に比べてチャンネル数が多いメリットがあるが、送信出力が小さいためBS用に比べ大型のアンテナが必要になる。
 古くは、BS放送はアナログでNHK衛星放送(第1,第2)とWOWOW等があり、ディジタルCS放送としては日本ではスカパー!があった。
 後にBSの放送もディジタル化され、更に110度CSデジタル放送と同時運用することでアンテナとチューナーの共通化、そして多チャンネル化された。
 テレビ/ラジオ以外の放送衛星の応用例として、「サテラビュー」などという用途もあった。

偏波
 日本の場合、BSと110度CSは右回り/左回りの円偏波であるのに対して、124度/128度CS(旧来のスカパー)は垂直/水平の直線偏波である。
 かつては、周波数や偏波のみならず衛星位置すらも異なるがBSと124度/128度CSの共用アンテナも開発され使われていた。
 現在の110度BS/CS用放送は、どちらも円偏波で統一されている。なお、これまで日本がBS使用してきた円偏波は右旋円偏波であるが、将来的に左旋円偏波のチャンネルも使用されるようになる見込みである。

状況
 日本では12GHz(Kuバンド)帯汎用はJCSATスーパーバードが主で、他にはNTTドコモ持ちの衛星などがある。
 12GHz帯以外にはJCSAT-3/4の4GHz帯があり、スーパーバードA/Bでは20GHz帯がある。但しそのビームは日本だけではなくオセアニア地域にも向けられているので日本専用というわけではない。またあくまでも通信衛星なので、必ずしも放送に使われているわけではない。

将来
 将来的には、広帯域が確保出来る20GHz帯(Kaバンド)を使って放送を行なう計画がある。
 ただし雨等による減衰は増加するため、その分アンテナのゲインも波長が短い分(同じ大きさのパラボラなら)増加する。

日本のBS/CS衛星の並び
コラム(日本のBS/CS衛星の並び)
                                 南
             JCSAT-2A JCSAT-1B       JCSAT-3            BS
                  │  │        N-STAR  │              │
  東───●─●─●─●──●─●─●─●●●─────●───西
          │  │            │   b  a     ││          │
       SCC-B   SCC-A       SCC-C    JCSAT-R JCSAT-4A    JCSAT-110

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