依存網
読み:いそんもう
PHSで、NTT地域会社のISDN回線(AO/DI)を利用してPHSサービスを提供する形態のこと。
概要
昔のDDIポケットは、この形態でサービスを提供していた。
ISDNであるため基本的にはIインタフェースであるが、PHSとしての機能を満たすため、位置登録などの機能を付加した拡張型として「I'インタフェース」と呼ばれている。
特徴
回線
「依存」とは言っても、基地局から電話局までに公衆電話網を使うということであり、それ以外については各PHS事業者が維持・管理をする。このため「NTT網活用型」とも呼ばれた。
しかし、NTTの電話網は、遅く、高い。このため、各PHS事業者は自社回線を使うよう努力を続けた。この回線は、依存網に対して独自網という。
DDIポケット、そしてその後継であるWILLCOMはIPネットワーク化を進めた。2010(平成22)年2月に資金難で会社更生法の申請をして事実上倒産したものの、2012(平成24)年9月、WILLCOMは遂に全ての通信を自社IP網すなわち独自網への収容を達成した。
一方、アステルは全国独自網の夢を掲げながらも、その夢は果たせぬまま力尽きた。
状況
アステルのバックボーンは、その後ケイ・オプティコムで使われていた。かつてのデータ通信サービス「eo64エア」ではデータ通信は独自網(光ファイバー網)を用いて定額としており、電話サービスと端末の位置登録でのみ、このISDN網を用いていた。つまり電話サービスは依存網であり、データ通信は独自網と依存網の組み合わせであった。
WILLCOMも、当初はアステルと同様に独自網と依存網の組み合わせていた。WILLCOMになってからは、電話サービスについても独自網化を進め、料金を下げたり利益率を上げたりの努力を進めていたが、こちらも最終的には力尽きた。
再検索