ハイパーテクストコーヒーポット制御プロトコル
読み:ハイパーテクスト-コーヒーポットせいぎょプロトコル
外語:HTCPCP: Hyper Text Coffee Pot Control Protocol

 コーヒーポットを遠隔制御するプロトコルの一つ。ハイパーテクストを採用しているのが特徴。
目次

概要
 RFC 2324としてInformational(情報提供)扱いで公開されている。
 1998(平成10)年4月1日という公開日を見ても分かる通りジョークRFCであるが、正式なRFCの番号が振られている。
 さらに16年後の2014(平成26)年4月1日には、給茶機向けにした「HTCPCP-TEA」としてRFC 7168が発行されている。

特徴

メソッド

仕様
 コマンドはHTTPに類し、Content-Typeを「application/coffee-pot-command」としたメッセージにて行なわれる。
 コーヒーを効率的に淹れるために、様々なメソッドが用意されている。

BREW
 BREWメソッドは、コーヒーを作ったり、コーヒーポットを制御するために使われる。
 HTTPと同様にPOSTメソッドも利用可能で、どちらを使っても完全に同じ動作をする。しかしPOSTはコーヒーの商標かもしれないので、これは使うべきではない。

GET
 通常、HTTPであれば指定したURIに関連するリソース(資源)、情報を得るために、GETメソッドを使う。
 対してHTCPCPは、コーヒーポットと関連付けられたリソースは物理的なものである。

PROPFIND
 一杯のコーヒーがデータであるなら、淹れられたリソースについての外部データはPROPFINDメソッドを使用することにより検出される(WEBDAV)。

WHEN
 注がれたコーヒーにミルクが提供される場合、充分なミルクがコーヒー中に導入された時点で「WHEN」(そのくらいで)と言う必要がある。
 この目的のために、HTCPCPにはWHENメソッドが追加された。
 こんなもんでいい? いいならWHEN(そのくらい)と言ってくれ。
 遠隔で淹れてるのに見えるわけがないだろ!!
 お客さん、ジョークRFCは初めてかい? 力を抜けよ。

スキーム名
 このRFCでは、URIスキームに世界中の言語の「コーヒー」を採用している。英語のcoffee:は当然だが、定義された他の言語を含めると全部で23言語になる。
 ASCIIに無い文字はUTF-8にし、その16進数を%xx形式で表記する。
koffieアフリカーンス/オランダ語
q%C3%A6hv%C3%A6アゼルバイジャン語
%D9%82%D9%87%D9%88%D8%A9アラビア語
akeitaバスク語
koffeeベンガル語
kahvaボスニア語
kafeブルガリア語、チェコ語
caf%C3%E8カタロニア/フランス語等
%E5%92%96%E5%95%A1支那語
kavaクロアチア語
k%C3%A1vaチェコ語
kaffeデンマーク/ノルウェー語等
coffee英語
kafoエスペラント
kohvエストニア語
kahviフィンランド語
%4Baffeeドイツ語
%CE%BA%CE%B1%CF%86%CE%ADギリシャ語
%E0%A4%95%E0%A5%8C%E0%A4%AB%E0%A5%80ヒンディー語
%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC日本語
%EC%BB%A4%ED%94%BC朝鮮語
%D0%BA%D0%BE%D1%84%D0%B5ロシア語
%E0%B8%81%E0%B8%B2%E0%B9%81%E0%B8%9Fタイ語

セキュリティホール
 HTCPCPの仕様によれば、コーヒーポットは電気で水を加熱するため火の出番はなく、もってファイアウォールも不要だとしている。
 ちなみに、Jura-Capresso社から発売されているF90型コーヒーメーカーには別売でインターネット接続キットが存在し、インターネット経由でコーヒーの設定が可能となっている。
 しかしこの接続キットには、詳細は不明だが脆弱性があり、外部からの不正アクセスによって勝手に設定を変更されたり、不正なパラメーターを設定されることで故障させられる、と報じられた。その上、この脆弱性を利用してユーザーのWindows XPシステムへアクセスすることも可能となるとされる。
 このインターネット接続キットは、どうやらHTCPCPに準拠していないらしく、これがセキュリティホールを招いた原因だったのだろう。

実装

将来の展望
 これが書かれた時点ではジョークであった。しかし将来あらゆる家電がネットワークで接続されるようになれば、このような存在もジョークではなくなるだろう。
 もっとも、実現したときにそれが必ずしも「ハイパーテクスト」であるかどうかは保証の限りではない。

実装例
 その実際は定かでは無いが、2002(平成14)年9月30日に開催された大阪大学の基礎工学部システム科学科電子システム学コースPBL発表会で、HTCPCPの実装品の展示が行なわれていたことが確認されている。

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