エンドツーエンド
読み:エンドツーエンド
外語:End to End
一方のエンドシステムと反対側のエンドシステムとのことで、通信における主要な機能を、接続元と接続先の互いの終端(エンドシステム、ノード、ホスト)で行なうというもの。
概要
通信の下位層は、突き詰めれば、ただ転送さえ出来ればよい。
エラーの検知や誤り訂正などは、末端ノードの上位層にて実施する。
このようなモデルをエンドツーエンドといい、ダムネットワーク(馬鹿なネットワーク)とインテリジェント端末(賢い端末)という構造を構築することになる。大昔は、インテリジェントネットワーク(賢いネットワーク)とダム端末(馬鹿な端末)という構造があったが、これに真っ向反する、アンチテーゼとして提唱された。
つまり、経路途中のシステムに依存しないことをいい、この実現のためには通信プロトコルが階層ごとに明確に分離されている必要がある。インターネットは、このエンドツーエンドの最も代表的な例である。
特徴
透明なネットワーク
エンドツーエンドでは、ネットワークは単純であり、透過的である。これを透明なネットワークといい、このような状態をトランスペアレントである、という。
具体的には、次の条件を満たす。
- 各層においてパケットの中身を見ることはない
- 各層においてパケットのヘッダー情報を改変しない
例えばIP層においては、IPヘッダーを経路選択のために参照するが変更せず次の層に受け渡し、また中に含むTCPなどのデータを覗いたり改変したりすることがない。
利点
ネットワークは余計な機能を持たず、純粋にデータを通す。
このため技術革新がインフラ(通信回線)に依存せず、必要とあればエンドシステムに続々と新しいソフトウェアを組み込み、利用することができる。新しいサービスやビジネスも、迅速かつ低コストで実現できる。
また通信回線側も、上位のアプリケーションを意識する必要がなく、回線の刷新(たこ糸電話→銅線→光ファイバー、など)をすることが可能という利点がある。通信を通す以外の機能を持つ必要がないので、これもまた迅速かつ低コストで実現できる。
現在のインターネットの発展は、このエンドツーエンドモデルによって達成されたのである。
難点
利用者にとっては、満点の概念であり、非の付け所がない。
唯一問題があるとすれば管理者の立場として、セキュリティ面の懸念があることである。どんな通信が行なわれているか検査できず、途中の改竄が許されないとなればセキュリティポリシーを適用することすら出来ないからである。
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