DRMフリー
読み:ディーアーエム-フリー
外語:DRM Free: Digital Rights Management Free
ディジタル著作権管理(
DRM
)が無いこと。ディジタル情報(音声、映像、文章など)の利用や複製に対し、制限を加える技術を用いていないもの。
目次
概要
経緯
問題
特徴
時代の変遷
アメリカ
日本では?
概要
経緯
ディジタル情報であれば、その内容が変化しない限り、いくら複製(
ディジタルコピー
)しても音質や画質などは劣化しない。
このため、かつてコンテンツ事業者はこぞって、コンテンツにプロテクトを掛けることに労力を費やした。簡単には、購入に使用したプレーヤーでのみ再生でき、そうでないプレーヤーでは再生できない加工を施す技術の開発である。
これにより
DRM
という技術の開発には成功し、実用充分な暗号化などが施された。しかしこの技術は、無用な負担を購入者に対して課すものであった。
問題
せっかく曲を購入しても、そのデータは別のプレイヤーに複写して再生できないなど、これまでにない不便さが際立っていた。
彼らの提供するコンテンツは、自由な利用は阻害されている。彼らは、彼らの指定したプレイヤーで、彼らが考えるスタイルでのみ再生することを消費者に強要した。消費者が自由なスタイルで再生する権利などは、端から認める気はなかったのである。
だが、このような傲慢な姿勢は当然、消費者には受け入れられなかった。早い話が、売れなかったのである。
特徴
時代の変遷
こうして、時代の趨勢は再び「コピーし放題」へと戻ることになる。DRMが無くなるという意味で、これはDRMフリー化と呼ばれている。
例えば音楽では、かつては大手音楽レーベル各社から「忌みもの」のように嫌われた
mp3
で販売されるようになった。今や米国ではmp3がネットで安価に販売されており、手軽に購入できる状況となっている。
mp3であれば、再生可能なプレイヤーは巷にあふれているため、自由に聞くことができる。これは好評を博し、もって音楽の売り上げは爆発的に伸びた。米国では。
アメリカ
この状況のため、米Amazon.comもDRMフリーの音楽配信への参入を発表した後、結果として米国の4大音楽レーベル全て(EMI、Universal Music Group、Warner Music、SONY BMG)は、Amazon.comとDRMフリーのmp3販売の契約を結ぶことになるのである。
当然ながら、大手音楽レーベルが自ら損するような契約をするわけがない。この方が儲かるという確実性があったから、契約をしたのである。
つまり、DRMなどは無いほうが良く売れる、売り上げはコンテンツの内容次第である、ということが証明されてしまったのである。
日本では?
日本では、
JASRAC
はじめ、おかしな団体の中間搾取、並びに利権維持活動が激しいため、日本企業がDRMフリーを達成することができなかった。
そんな中、iPhoneなどで快進撃を続けるアメリカの
Apple
は、iTunes StoreでDRMフリーのサービスを始めた。従来のDRM形式は128kbps AACだが、DRMフリーは256kbps AACで、より高音質となっている。DRMフリーのサービスは「iTunes Plus」と呼ばれている。
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