FMステレオ放送
読み:エフエムステレオほうそう
外語:FM stereo broadcasting

 超短波(VHF)帯のFM放送でステレオ音声を伝送する放送。
目次

概要
 音質を売りにする、いわゆるFMラジオ放送は現在は全てステレオであるが、地上アナログテレビジョン放送の音声チャンネルもFMラジオと同じ方式である。
 電波の型式は、FMモノラル放送がF3Eであるのに対し、ステレオ放送はF8Eである。

技術

送受信まわり
 FMのステレオ放送は、左信号(L)と右信号(R)を加算した和信号と、同じく減算した差信号を作り、これを多重化することで実現している。
 このような信号はステレオ複合信号と呼ばれる。
 このような方法を取るのは、元々FMによる音声放送はモノラルであり、それに信号を追加することでステレオとしたことに由来する。

技術的解決点
 まず、モノラルにしか対応していない古いチューナーでも支障無く音声が聞けることが、ステレオ化する最低条件になる。
 元々の音声となる部分は、先に述べた左信号と右信号を加算した和信号とする。いわゆるモノラル音声である。
 そして、これに左信号から右信号を減算した差信号を別に用意することで、受信側では和信号+差信号=左の信号(L)、和信号-差信号=右の信号(R)という操作で左右の音が得られるのである。

電波帯域
 FMラジオ放送では1チャンネルあたり帯域が200kHzと広く確保されているため、信号を追加するにも余裕がある。
 差信号は38kHzの正弦波の副搬送波を重畳して帯域をずらすことで、和信号が50Hz〜15kHzの範囲なのに対し、差信号を38kHz±15kHzにずらし、一つの帯域を2チャンネルに分割して利用している。
 

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