10GBASE-T
読み:じゅうギガベース-ティー
外語:10GBASE-T

 IEEE 802.3anで策定された、10GBASE-Xの一連の規格の一つ。
目次

概要
 通信ケーブルとして、シールド付きより対線(STP)を使用するのが最大の特徴である。10GBASE-Tは当初UTPで検討されたが、最終的にはSTPになった。
 ケーブルは、カテゴリー6(Cat6)、カテゴリー6A(Cat6a)、カテゴリー7、あるいはそれ以上の何れかを用いる。
 カテゴリー6は1000BASE-Tまで使用できるケーブルだが、10GBASE-Tでも一応利用可能。但し周波数特性が足りないため、最大延長は55mに制限される。
 10GBASE-T用のカテゴリー7では、対ノイズ性を上げるため、対ケーブル全体を金属メッシュまたは金属箔でシールドしている。これにより伝送距離は1000BASE-Tと同じ100mを実現した。

特徴

技術的特徴
 かつて、100BASE-T2で採用されたPAMのうちPAM5×5方式が採用された。
 1000BASE-Tでは4D-PAM5、通称8B/1Q4が採用された。4対でかつ電圧値を5段階に変えるPAMである。
 この10GBASE-Tは、変調方式としてPAM16を採用し、電圧値を16段階で変える。このため1変調で送信できるビット数が大幅に増やせる。
 但し、僅かなノイズでもエラーが発生してしまうことから、誤り訂正としてLDPC(low density parity check)という技術が採用された。1000BASE-Tの8B/1Q4で採用しているトレリス符号よりも強力な誤り訂正機能があるとされている。

普及
 10GBASE-Tは普及していない。様々な欠点があるからである。
 ケーブルとして、最低でもカテゴリー6、推奨はカテゴリー6A以上が必要だが、他の10GBASE-Xは全て光ファイバーを使う。
 カテゴリー6AのSTPは単価面や将来性などの購入者心理面でも光ファイバーより劣勢なこと、10GBASE-Tは1ポートあたりの消費電力が1000BASE-Tの数倍以上もあることと、そのために高密度化が難しいこと、また一部のサーバーを除いてはそこまでの帯域が必要とされていないことなどマーケット上の理由もある。

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