電気通信事業者
読み:でんきつうしんじぎょうしゃ

 電気通信回線設備を用いて事業を行なう業者のこと。
目次

概要
 電気通信事業法で定義されている。
 2004(平成16)年4月1日に施行された、改正された「電気通信事業法」では、総務大臣の登録を受け、総務大臣に届け出ることで事業を営むことができる、としている。
 条文では、次の通りである。
 電気通信事業法
 (定義)
 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 五 電気通信事業者 電気通信事業を営むことについて、第九条の登録を受けた者及び第十六条第一項の規定による届出をした者をいう。
 (電気通信事業の登録)
 第九条 電気通信事業を営もうとする者は、総務大臣の登録を受けなければならない。ただし、その者の設置する電気通信回線設備(送信の場所と受信の場所との間を接続する伝送路設備及びこれと一体として設置される交換設備並びにこれらの附属設備をいう。以下同じ。)の規模及び当該電気通信回線設備を設置する区域の範囲が総務省令で定める基準を超えない場合は、この限りでない。
 (電気通信事業の届出)
 第十六条 電気通信事業を営もうとする者(第九条の登録を受けるべき者を除く。)は、総務省令で定めるところにより、次の事項を記載した書類を添えて、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
 二 業務区域
 三 電気通信設備の概要(第四十四条第一項の事業用電気通信設備を設置する場合に限る。)

旧法
 当初は、電気通信事業者は第一種と第二種に分けられていた。
 かつての郵政省(現在の総務省)は、「通信の質」を維持することを理由に、電話事業に使う回線は第一種電気通信事業者のものに限ると定めた。このため、当時は市内通信網はNTTから借りる以外の選択肢がなかった。
 しかし、1995(平成7)年のNTT分割論議で吹き出した「NTT分割より先に規制緩和」という批判に答える形で、郵政省は1996(平成8)年4月頃より第一種電気通信事業者以外の通信網を電話事業に使う事を認める方向へ転換した。これにより、電力会社、鉄道会社、地方自治体(下水道・地下鉄)等の通信網が電話事業などに利用できるようになった。
 特に下水道・地下鉄は今までビジネスに使われることが全くなかったため、新たな通信網資源として注目された。
 そして最終的に、第一種と第二種という区別もなくす方向となり、もって現行法となっている。

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