ライン (音響機器)
読み:ライン
外語:line

 音響機器同士の接続で用いられる、アナログ音声信号や、その信号を伝送するために使う端子などの総称。
目次

概要
 俗にライン端子と呼ばれる端子のついたケーブルを用いて、ある機器のライン出力から他の機器のライン入力へ接続される。
 端子は様々なものが使われており、多くはRCAで、その他にフォーンコネクターXLRなどがある。

特徴

ライン出力
 民生用の比較的小型の装置の場合、安価なものはライン出力を欠くこともあるが、ライン出力を搭載していたとしても、同時にイヤホン端子(ヘッドフォン端子)が付いていることが多い。この場合、ライン出力はRCAのメス、イヤホン端子はステレオミニジャックである。
 両方ともアナログの音声信号に違いはないが、電圧レベルが全く異なっており、このため用途も異なっている。

信号
 CDプレイヤー等のプレイヤーにせよラジオ等にせよ、音声信号は次の順序でスピーカーへと伝わる。
 プレイヤーが読み取った生の信号を、プリアンプで増幅したものがライン信号であり、これがライン出力端子から出力される。信号レベルは機器ごとに一定であり、変えることができない。
 次に、設定された音量まで増幅するのがパワーアンプであり、この信号がイヤホン端子から出力される。従って音響機器に設定した音量で音が出る。

ラインレベル
 同じアナログ信号でも、用途によって様々な電圧レベルが使われている。
 ライン出力の信号レベルと、ヘッドホンに使うイヤホン端子や、マイクで使うマイク端子などとは信号レベルが全く異なるため、区別のため、ライン出力の信号レベルは「ラインレベル」と呼ばれる。
 ラインレベルに統一された規格はなく、機器ごとに様々なものが使われている。
 民生用のオーディオ機器なら-10dBV(0.316V)程度が一般的だが、放送局用では+4dBV(1.58V)や+6dBV(2V)程度のものが使われる。

インピーダンス
 インピーダンスも様々である。
 元々「ライン」とは電話回線を表わし、そのため電話回線のインピーダンスである600Ω程度が一つの基準となっているが、実際には非常に小さなインピーダンスから非常に大きなインピーダンスまでが使われている。
 インピーダンスの高低は相対的なものだが、入力と出力の音声信号伝達があったとき、そのインピーダンスは必ず「入力>出力」の関係としている。このほうが、伝送損失が少なく済むからである。これを「ロー出しハイ受け」と俗に呼んでいる。

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