typedef
読み:タイプデフ
外語:typedef
C/C++の予約語の一つ。データ型に新しい名前を付ける時に用いる。
概要
新しいデータ型を作り出すわけではない。あくまで別名を付けるだけである。
CおよびC++の標準では、標準として提供するtypedefの型名には_tのサフィックスを付けている。
似たようなものに#defineがあるが、typedefとは解釈するプログラムが異なる。#defineはプリプロセッサーが解釈し、typedefはコンパイラーが解釈する。
なお、C++では、C++11以降はusingを使って別名定義が可能となっており、typedefは既に古くさい書き方となっている。
特徴
用例
例えば、整数を扱うデータ型SEISUを定義する。
typedef int SEISU;
SEISU型はint型と完全に同じ変数型となる。int型に代入してもされてもエラーにはならない。
int a = 1;
int b = 2;
SEISU c;
c = a + b;
別名を付けて、データ型を抽象化したい場合に有効である。
structなどをtypedefすることもできる。こうするとデータ型名を構造体と意識させずに利用させることができ、利便が高まる。
賛否
typedefの使用は避けるべきだと主張する者もいる。その理由として、typedefは実際のデータ型を隠蔽し、巨大な構造体でも単純な型と誤認して使用できてしまうため、などとする。
逆に、これは利点だと主張する者もいる。データ型を隠蔽することでデータのカプセル化向上に寄与する他、後からデータ型の仕様変更があっても、プログラムの変更が不要で、定義の部分だけを変えれば済む、などとしている。
CやC++の標準は、typedefを増やす方向である。
実用例
このデータ型の隠蔽は、実際にtime_tの仕様変更に有効に生かされている。
time_tは従来は32ビット長だったが、のちに64ビット長に伸ばされた。
もしtime_tというtypedefが無いなら、time関係の関数の引数をlong型からlong long型にすべて書き換える必要があり、影響は大きい。time_tがあったため、関数の定義や使い方は一切変えず、ヘッダーでの定義をlongからlong longに変えるだけで済んだのである。
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