restrict
読み:リストリクト
外語:restrict

 Cの予約語の一つで、型修飾子。
目次

概要
 ポインターをrestrictで修飾することで、そのポインターが別名を持たないことをコンパイラーに指示し、他の変数から参照されないことを保証する。
 実装の独自拡張が存在していたが、C99から公式の仕様として導入された。

特徴

由来
 Cのポインターは、メモリー内のアロケーションを示すアドレスである。したがって、複数のポインターが同じメモリーアドレスにアクセスすることが容易に可能である。
 コンパイラーは、そのような状況を想定した上で、問題のない(時に非効率な)コードを出力する。
 restrict修飾子は、そのポインターがアドレッシングしたメモリーが変更された場合、他のポインターがそのアドレスに対してアクセスできないようにする、コンパイラーに対する指示ができる。これにより、コンパイラーは処理中に問題のある挙動を避ける方法により、コードを最適化できるようになる。
 ベクトル型スーパーコンピューターでは効率をあげるため事実上必須となり、SIMD演算での最適化をするのにも重要となる。

制限
 実際にrestrictで修飾されたポインターが適切に使われているかどうかを判断するのはプログラマーの役目である。
 もし意図しない使い方をした場合、想定されない挙動を示すことがある。

C++
 現在のC++標準では未定義である。
 実装によっては拡張機能として利用できるものもあるが、従来のC++では未定義のキーワードであるため、変数名として問題なく利用できる。
 但し今後の拡張に対応するため、この語を変数名に用いることは避けるべきだろう。

再検索