VHD
読み:ヴィーエイチディー
外語:VHD: Video High Density

 ビデオディスクの一つで、かつて日本ビクターが率先して販売していた。
目次

概要
 LDレーザーを使用する非接触式なのに対して、VHDは接触式である。
 ディスクに刻まれたピットを、静電容量方式で読み取るという荒業を駆使していた。但し接触型とはいえ、圧力は数十mgと微小であり、ヘッドは平坦なダイアモンドなので、磨耗に関する心配は必要ない。ただし汚れなどに対するメンテナンスはLD以上に必要になる。

特徴

沿革

普及期
 一時期の業務用カラオケは、LDよりVHDを使った物の方が普及していた時もあった。
 登場した当時は、VHDの方がVHS陣営を引き連れて来たこともあってビクター、松下、ソニーなど13社が参入、対するLDは当初パイオニアが一社だけでやっていて、勢力差は比較にならなかった。

衰退期
 その後、パイオニアがOEMでソニーのVTRを販売していたこともあり、ソニーが加勢してコンパチブルプレイヤーが登場した。
 これにより、CDとの一環性もあり、またディジタル音声という魅力もあって、LDへの音響メーカーの参入が相次いだ。この頃からVHDの旗色が悪くなったといえる。
 VHDが一般市場ではあまり流通しなくなった後も、業務用カラオケ分野では比較的長く続いていた。その後、通信カラオケの普及によりLDカラオケと共に減少してゆく。またVHD専用の「AnimeVision」という季刊OVAも出ていて(当然ビクターが作る)、その手の人には大変喜ばれていた。

容量
 VHDはCAV記録である。
 しかし、VHDはLDよりもピット密度が上だったため、CAVでかつ26cm径であっても、LD(30cm径のCLV記録)と同じ時間を実現できた。
 またCAVだったため、初期にはトリックプレイ面で有利だった。しかし後にLDにディジタル画像処理機能が搭載され、CLVでもトリックプレイが可能になったためにその差は無くなった。

画質など
 画質面では、VHDがVHS並みであったのに対し、LDが圧倒的に有利だった。
 接触型か非接触かという点と、名前としてレーザーというヒカリ物であったというイメージも大きい。LDより圧倒的に負けていた水平解像度に関しては、後にスーパーVHDというものが出来たが、VHD自体が全体として普及していない中で、更に普及しなかった。

LDとの違い
 LDとの見た目の大きな違いとして、LDがディスクむき出しなのに対し、VHDはジャケットに入っているのが特徴といえる。
 ジャケットごとプレイヤーに挿入すると、ディスクだけ本体に残り、ジャケットが排出される。取り出すときはジャケットを挿入すると中にディスクが入って出てくる。
 LDと同様にA面・B面の両面使用が可能だが、当時はまだ両面再生機能はなく(当時はLDにもなかった)、手動で入れ替えねばならなかった。
  1. A面再生終わる
  2. ジャケット挿入(カラ)
  3. ジャケット排出(ディスクが入って来る)
  4. ひっくりかえす
  5. ジャケット挿入
  6. ジャケット排出(ディスクだけ本体に残る)
  7. B面再生する
 メディアがLDより重く、面倒だった。両面再生機能がLDプレイヤーに付き始める頃には、VHD自体、既に消えようとしていた。

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