MNG
読み:ミング
外語:MNG: Multiple-image Network Graphics

 動画ファイルの一つ。動画GIFの後継を標榜して設計されたが、失敗作となり、全く普及しなかった。代わりに普及したのはAPNGである。
目次

概要

由来
 MNG誕生の由来は、PNGと同様である。
 Unisysが、データ圧縮アルゴリズムLZWの特許を主張するというサブマリン特許問題を起こしたため動画GIFが扱いづらくなり、その代替として開発が始まった。

MIMEタイプ名

特徴

利点
 動画GIFと比べ、次のような特徴がある。

機能
 MNGはPNGの持つ利点の全てを持っているが、更に複数の画像を1ファイルに格納可能になったという特徴がある。
 複数の画像で簡易アニメーションが実現できる事がMNGの最大の特徴であり、従来の動画GIFで行なわれていた事は全てMNGで実現できる。
 複数のアニメーションを複雑に処理可能で、これは単純なループしか出来ないGIFのアニメーション機能を上まわる。またMNGは差分画像に対応し、動画ファイルの小型化を実現できる。GIFは複数の画像を単純に梱包しているだけなのでファイルがすぐに大きくなるが、MNGは前の画像との違い部分だけを格納することでファイルを小型化できる。

補足

失敗作
 静止画をPNG、動画をMNG、とすることで開発が進められたものの、MNGは理想が高すぎて仕様が膨大化した。
 単に特許対策で「動画GIFの代わり」を「今すぐ」欲しかった一般ユーザーと、MNGの開発メンバーの間には、あまりにも大きな「クレバス」が存在していたのである。
 「静止画GIFの代わり」としてはPNGはいち早く完成し実装されて成功し静止画GIFを過去の存在とできたものの、MNGは代表的なWebブラウザーの実装が一つも無いまま、その間に遂にLZWの特許が切れてしまった。この時点でMNGは命運が尽きた。

サブセット
 MNGは非常に多機能であるため、そのままでは性能に制限のある機器(例えばPDAや携帯電話などの小型の装置)では扱いにくい。
 そうでなくても、標準対応するWebブラウザーが無かったことから、一部の機能のみを規定した二種類のサブセット仕様が用意された。
 パソコン向けWeb用実装としては、GIF相当の機能を持つMNG-LCが主に利用されると見込まれた。しかし実際には普及せず、普及したのはAPNGである。

代替
 MNGは、主要なWebブラウザーで標準対応するものは一つもない。このため、Web用動画フォーマットとしては使い物にならない。
 一方で、動画GIFのコンセプトをそのままPNGにしたシンプルな仕様「APNG」は、主要なWebブラウザーの殆どが対応している。

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