折り返し雑音
読み:おりかえしざつおん
外語:aliasing noise

 サンプリングを行なう際、ナイキスト周波数(サンプリング周波数のちょうど半分の周波数)を越えるアナログ信号をA-D変換器に入力した場合、変換されたディジタル信号に混入する雑音。
目次

特徴

現象
 例えば、サンプリング周波数が48kHzとすれば、ナイキスト周波数は24kHzになる。
 この条件で25kHzの信号をA-D変換すると、変換されたデータは23kHzの信号として現われる。
 同様に26kHz→22kHz,30kHz→18kHzというように、数直線上でナイキスト周波数の所を対称軸に折り返した位置に信号が現われ、複数の周波数成分が混じっている一般の信号では、これは本来存在しないはずの雑音になる。

回避
 A-D変換の際には、アナログ信号の段階でナイキスト周波数を越える周波数の信号成分を除去する前処理が必要になり、このために使われるアナログフィルターを「アンチエリアシング・フィルター」という。
 なお、この前処理を簡略化する手段として「オーバーサンプリング」というものがあり、ディジタルオーディオ用途などに使用されている。
 この折り返し雑音はA-D変換の時ばかりではなく、サンプリング周波数を低い方に変換する場合にも生じる。そのためこの場合も、変換後のナイキスト周波数に相当する周波数を越える信号成分を最初に除去する必要がある。

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