DOM
読み:ドム
外語:DOM: Document Object Model

 XMLHTMLのようなマークアップ言語で記述された文書(ドキュメント)内の要素をオブジェクトとして操作可能とするための仕組み、およびそのモデル。
目次

概要
 元々はNetscape CommunicatorInternet Explorerの間で勃発した熾烈な争い「ブラウザー戦争」の中で誕生したダイナミックHTMLを構成する要素として誕生した。
 しかし双方でユーザーの囲い込みを目的に非互換で開発が進められたため、この状況を打破するため、W3Cが1998(平成10)年10月にDOMとして勧告したのが始まりである。
 現在ではW3Cの手を離れ、再びWebブラウザーメーカーによる業界団体により仕様が作られている。

特徴

仕組み
 DOMは、HTMLなどでマークアップされた文書中のリソース(ドキュメント)を、その構造に応じてドキュメントツリー(文書ツリー)というツリー構造で扱う機能を提供する。
 文書中の様々な要素、属性、文書などをそれぞれオブジェクトとみなし、オブジェクトが集合したもの(階層関係)を文書であるとみなす。
 それぞれのオブジェクトを「ノード」と呼び、DOMは、この各ノードに対して、抽出、追加、置換、削除などの操作をするための汎用的な手段を提供する。
 こうして構造化されたオブジェクトはECMAScript(いわゆるJavaScript)などのスクリプトから操作可能で、これにより動的に変化するWebサイトを作ることを可能とした。どういったスクリプトを使うかはDOMの規定の範囲外だが、現実には現在のWebブラウザーが対応するスクリプト言語はECMAScriptのみである。


 W3C勧告は2021(令和3)年1月28日で廃止されており、現在はHTML Living Standardとともに定義されるDOM Living Standardとなっている。
 なお、WHATWGの仕様は随時更新され実装されており、W3Cのそれとは違い節目ごとに仕様をまとめてバージョン番号を付けるような運用はなされていない。

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