ASN.1
読み:エイエスエン-ワン
外語:ASN.1: Abstract Syntax Notation One
OSIプロトコルのアプリケーション層で規定するデータ構造を記述するために用いる抽象構文の言語。日本語に訳すと「抽象構文記法1」。
概要
プロトコルデータ要素(PDU)のデータ構造と、PDUの転送時のバイナリ形式(転送オクテット列)の形式を規定するものである。次のような特徴がある。
- 特定のプログラミング言語や計算機に依存しない
- データ型とオクテット列を独立に規定するため、一つのデータ型を複数のオクテット列に対応させることが可能
- 計算機処置が可能でPDUの作成や解析などを自動化するソフトウェアの開発が容易
- 一つの応用層プロトコルのPDUをまとめて記述したり頻繁に利用する構文をマクロ記述する機能を持つ
特徴
標準
ASN.1の抽象構文記法と基本符号化規則(BER)は1984(昭和59)年にCCITTが勧告したX.409(MHS: プレゼンテーション転送構文と表記)を基本とし、1988(昭和63)年には分割されX.208とX.209で勧告されている。
また、ISOではISO 8824とISO 8825がこれに該当する。
実装
ASN.1で記述されたデータ構造は、プレゼンテーション層においてBERなどにより転送オクテット列に変換されネットワーク上で転送される。
また、OSIプレゼンテーション層の他にMHS(X.400)、ディレクトリ(X.500)など、多くのOSI応用層プロトコル仕様の規定に利用され、近年ではOSI以外でもTCP/IP用ネットワーク管理プロトコルSNMPやISDN共通線信号方式で用いるTCAPでも採用されている。
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