下位互換
読み:かい-ごかん
外語:lower compatible

 元となるものの主要な部分のみに互換したもの。サブセットともいう。
目次

概要
 先行する製品仕様に対し、後発の製品仕様が一定の互換性を有しており(これを後方互換という)、かつ先発の製品で利用できたものが制限付きながら後発の製品でも利用できるものをいう。
 後発製品が、先行製品の全ての機能を持っていないことから「下位」の互換性と表現される。
 後継機は一般に先行機より多機能または高性能であるため、深く考えずに上位互換と言われることもあるが、後継機が先行機の全機能を網羅していない場合は、それは単なる後方互換であり、上位互換ではない。

特徴

実例

PlayStation2
 ソニーのゲーム機PlayStation2は、同社の旧製品PlayStationの後継機である。
 PlayStation2とPlayStationは全く異なる仕様の製品であるが、PlayStation2にはPlayStation用のソフトウェアを実行するための互換機能が搭載された。この互換性は完全ではないため、全てではないが、殆どのPlayStation用ゲームソフトはPlayStation2で遊ぶことができる。
 このとき、PlayStation2はPlayStationの「下位互換機」である、という。
 つまり、PlayStation2は、PlayStationと「後方互換」で、かつ「下位互換」である。

MIDI
 ローランドのシンセ音源モジュールSC-88は、従来製品のSC-55相当の演奏を可能とする互換モード(SC-55マップ)を持っている。
 しかし、SC-88はSC-55とは異なる楽器であり、完全に同じ音を出すことはできない。つまり完全な互換性があるとは言えない。
 このとき、SC-88はSC-55の「下位互換機」である、という。
 つまり、SC-88は、SC-55と「後方互換」で、かつ「下位互換」である。

PC-9801
 NECのパーソナルコンピューターPC-9800シリーズは、同社のPC-8800シリーズの後継機であった。
 PC-8800シリーズとPC-9800シリーズは全く異なる製品であるが、ある程度の類似性は持たされており、これは互換性であると解釈されている。
 このとき、PC-9801はPC-8801の「下位互換機」である、という。
 つまり、PC-9801は、PC-8801と「後方互換」で、かつ「下位互換」である。

誤用と混乱
 互換性については、類似の用語が様々あり、誤用と混乱を招いている。
 下位機種(従来機種)と互換があるので下位互換、などと表現されることもあるが、これは誤用である。この場合は「後方互換」と表現するべきである。

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