ユーザー定義直定数
読み:ユーザーていぎ-ちょくへんすう
C++11以降のC++で機能追加された、ユーザーが定義できる直定数(リテラル)のこと。「ユーザー定義リテラル」とも。
概要
CやC++では、様々な直定数(リテラル)があり、その前後に付ける修飾子が言語仕様として定義されている。
C/C++ではその機能は固定だが、C++11ではユーザーが新たな直定数修飾子を定義できるようになった。これをユーザー定義直定数という。
特徴
種類
処理は、記述された文字そのままを扱うraw直定数と、数値であれば数値として認識された値を扱うcocked直定数とに分けられる。
文字列直定数は常にcocked直定数であるが、数値は両方がある。
定義
関数定義にはoperatorが使われる。
修飾子には接頭辞と接尾辞があるが、C++11で定義できるのは接尾辞である。
例えば、raw形式の直定数は、次のように定義することができる。
Example operator""_Suffix(const char *str_literal);
operatorの後に書く演算子を表わす部分は、""から始まり、実際の直定数名が続く。直定数名はC++11当初規格では、常に_(アンダースコア)から始まらなければならない。
アンダースコア
例えば、上述のように_Suffixという接尾辞に対応する関数を定義するとする。
Example operator""_Suffix(const char *str_literal);
これは、次のように使うことができる。
auto var = 12345_Suffix; // "12345"というナル末端文字列として渡される
C/C++の標準仕様では、_から始まる名前は処理系用に予約されているが、直定数接尾辞については逆に、_以外から始まるものが将来の標準化のために予約されている。
なぜなら、自由なネーミングを認めてしまうと、0Lや0UL、0xffなどの「ユーザー定義直定数」が出来てしまうことになり、問題となるからである。
必ずしもアンダースコアである必要はなかったと思われるが、演算子などに使う記号であると弊害が発生することから、最も無難なものとしてアンダースコアが選ばれたものと思われる。
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