__null
読み:アンダースコア-アンダースコア-ヌル
外語:__null

 g++(GCC)が独自拡張で定義した予約語で、NULLポインターを表わすもの。clang/LLVMも互換性のため対応している。
目次

概要
 g++(GCC)バージョン4以上では、NULLマクロは__nullで定義される。
#if defined(__GNUG__) && defined(__GNUC__) && __GNUC__ >= 4
#define NULL __null
#endif
 そして__null自体は、ポインター長の0となる。

特徴

32ビット環境
 わざわざ独自定義する以上は、__nullはポインター長の独自の型として振る舞い、int型への代入でエラーになることが期待されるところである。しかし、そのように動くかどうかは、環境による。
 32ビット環境では、現実には(int)0と同じ扱いである。
 次のコードはエラーにならない。
int i = __null;
 そして、typeid(__null).name()で__nullの型を調べると、「int」と出力される。32ビット環境では、__nullはint型なのである。

64ビット環境
 __nullが存在するのは、64ビット環境への対応のためである。64ビット環境では、NULLと0は同一とは限らない。
#include <iostream>
int main()
{
  std::cout << "sizeof(NULL) : " << sizeof(NULL) << std::endl;
  std::cout << "sizeof(0) : " << sizeof(0) << std::endl;
  std::cout << "sizeof(0L) : " << sizeof(0L) << std::endl;
  return 0;
}
 64ビット環境では次のようになる。
sizeof(NULL) : 8
sizeof(0) : 4
sizeof(0L) : 8
 これはLP64と呼ばれるデータ型モデルだからであり、longとポインターが64ビットで、intと長さが違うのが特徴である。LinuxFreeBSDPC UNIXはじめUNIX系システムの標準となっている。
 そして、typeid(__null).name()で__nullの型を調べると、「long」と出力される。64ビット環境では、__nullはlong型なのである。
 ここから分かる結論は、次の通りである。
 C++だからといっても、常に「#define NULL 0」な訳ではない。
 また、64ビット環境でintに対して__nullを代入しようとすると、警告やエラーが出る。

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