SH-5
読み:エスエイチファイブ
外語:SH-5

 ルネサスが開発した組み込み用64ビットRISCマイクロプロセッサーコアの名で、SuperHシリーズの一つ。
目次

概要
 ハイエンドのマルチメディアアプリケーション向けとして作られたプロセッサーコアである。
 つまり、スマートフォンタブレットコンピューター向けということになるが、実際にSH-5が搭載されたこれら製品の存在は知られていない。
 マイクロプロセッサーコアの処理性能は、1.5 DMIPS/MHz(Dhrystone 2.1)、7MFLOPS/MHz(SH5-100グループ)の性能を持つ。
 なお、SH-5というのはあくまでもマイクロプロセッサーコアの名であり、SH-5という製品はない。様々な周辺回路を実装しパッケージ化したものが実際の製品である。

特徴

由来
 このコアは、2001(平成13)年に米国のSuperH, Inc.社により作られ、IPとして提供された。
 これは2004(平成16)年にルネサステクノロジーに売却され、2010(平成22)年にルネサスエレクトロニクスに移管された。

命令体系
 SH-5は、従来のSuperHアーキテクチャーと互換性を持つ16ビット長のSHcompactと、新しい32ビット長のSHmediaの、二種類の命令セットを持っている。
 このうち、SHmedia命令セットにはSIMD命令が含まれており、DSPと同様のアルゴリズム処理に威力を発揮する。
 16ビットと32ビットの命令を持つのは、RISCとして対抗となるARMMIPSに似ており、それがSuperHに従来と非互換の32ビット命令を加える動機、原動力になったと見られる。ただしARMやMIPSの16ビット命令は元々の32ビット命令のサブセットであるのに対して、SuperHの32ビット命令は16ビット命令の拡張という違いがある。

仕様

再検索