J/ψ中間子
読み:ジェイ-プサイ-ちゅうかんし
外語:J/psi meson

 チャームクォーク反チャームクォークで構成される中間子。チャーモニウムとも。
目次

概要
 スピン量子数1のボース粒子であり、フェルミ・ディラック統計に従う。パウリの排他原理は適用されない。
 不安定な素粒子で、寿命は短い。

特徴

発見と名称
 J/ψ中間子は、現時点で、二文字で命名された唯一の粒子である。これは、この粒子がほぼ同時に発見されたためである。
 1974(昭和49)年11月、サミュエル・ティンらによるブルックヘブン国立研究所/MITの研究グループと、バートン・リヒターらによるスタンフォード線形加速器センター/ローレンス・バークレイ国立研究所の研究グループが、ほぼ同時に発見を発表した。
 うち、ティンらのグループは「J粒子」、リヒターらのグループは「ψ粒子」と呼んだため、現在では両者をあわせて「J/ψ」と呼ぶようになった。
 この発見の功績を讃えられ、ティンとリヒターは、共同で1976(昭和51)年のノーベル物理学賞を受賞した。

チャーモニウム
 あるクォークとその反クォークからなる中間子は、粒子名に-oniumを付けて呼ぶ慣例がある。
 このため、あまり使われていない名前だがJ/ψ中間子は「チャーモニウム」(charmonium)ともいう。

対消滅
 J/ψ中間子は、チャームクォークと反チャームクォークが対生成されることで発生する。
 対生成されたこの二つのクォークは、互いに引き合い、ごく短い時間互いを周回しあう。この周回している状態が「J/ψ中間子」であると言える。
 やがて、チャームクォークと反チャームクォークは互いに結合し対消滅する。こうしてJ/ψ中間子は消滅することになる。

反粒子
 J/ψ中間子の反粒子は、J/ψ中間子自信である。
 なぜなら、チャームクォークと反チャームクォークから構成されるためで、各々を反粒子にしても構成が同一になるからである。

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