超アクチノイド
読み:ちょうアクチノイド
外語:superactinide
周期表において、第7周期のアクチノイドの下に配置される、第8周期の元素群のこと。
概要
超アクチノイドという語には、狭義と広義の二儀がある。
- 広義: 原子番号が104番以降の元素のこと (英名: transactinide element)
- 狭義: 周期表において、第7周期のアクチノイドの下に配置される、第8周期の元素群のこと (英名: superactinide)
英名では区別されているが、和名では混乱を来しているため、広義(transactinide element)については「超重元素」として呼び分ける向きがあり、本稿も、以降は狭義についてのみ述べる。
特徴
周期表
拡張した周期表は様々な化学者により提唱されているが、中でもグレン・シーボーグのものが、もっとも無難で有名である。それまでの法則に合わせて、素直に、g軌道に対応するGブロック元素を追加したもので、第8周期と第9周期が付け加えている。
このシーボーグの周期表で、アクチノイドの下になるのは、原子番号121番(ウンビウニウム)から原子番号153番(ウンペントトリウム)までの33元素である。
全ての超アクチノイドは超重元素である。2016(平成28)年現在、超アクチノイドは一つも発見されていない。
超アクチノイドは、更に二つのグループに分けることができる。
- UB: Ubu-series (Unbiunoid) 121番から138番まで(5g殻)
- SA: Ute-series (Untrienoid) 139番から153番まで(6f殻、153番のみ7d殻)
存在の可能性
超アクチノイドの元素が全て存在できるかどうかは不明である。
例えば、リチャード・P・ファインマンによれば137番元素が限度で、138番以上ではボーアの原子模型で1s電子の速度が光速を超え、ディラック方程式での基底状態のエネルギーが虚数になってしまう、とする。
他に、超アクチノイドよりさらに上になるが174番元素以上では1s軌道の電子の束縛エネルギーが電子‐陽電子の対生成に必要なエネルギーを超えてしまい、電子殻が成立しなくなるとする説が存在する。
このように、様々な理由により、原子番号には上限が存在する。
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