腫瘍マーカー
読み:しゅようマーカー
外語:tumor marker
腫瘍やがんの目印となる物質の総称。
概要
腫瘍やがんが生じると血中や尿中に増える物質が腫瘍マーカーであり、これを調べることで体内にがんが生じているか否かを判断することができる。
検査対象としては、腫瘍細胞が産生する特異性の高い物質であれば望ましいが、そういった物質はあまり検査対象となっておらず、正常細胞も産生はするが腫瘍細胞の方がより多く産生する物質が主として検査対象である。
測定値の上昇はがんの進展に比例することが多いため、腫瘍マーカーはスクリーニング(ふるい分け)や、治療経過のモニタリングとして検査される。ただし、腫瘍マーカーが陽性だからといって必ずしもがんとは限らず、また陰性だからといってがんへの罹患が否定されるわけではない。
特徴
主な腫瘍マーカーは次の通り。
- ACP (14.3IU/l以下)
- AFP(α-フェトプロテイン) (10ng/ml以下) 肝臓がん
- BAP(骨型アルカリホスファターゼ) (男13.0〜33.9U/l、女9.6〜35.4U/l) がんの骨移転
- BCA225 (160U/ml以下) 乳がん
- BFP(塩基性フェトプロテイン) (75ng/ml以下)
- BMG (2.2mg/l以下)
- CA15-3 (27U/ml以下) 乳がん
- CA19-9 (37.0U/ml以下) 膵臓がん
- CA50 (35.0U/ml以下) 膵臓がん、胆道系がん
- CA54/61 (4U/ml以下) 卵巣がん
- CA72-4 (4U/ml以下) 卵巣がん、乳がん、胃がん、大腸がん
- CA125 (35U/ml以下) 卵巣がん、胃がん腹膜播種
- CA130 (35.0U/ml以下) 肺がん、卵巣がん
- CA602 (63U/ml以下) 卵巣がん
- CEA(癌胎児性抗原) (4.6ng/ml以下) 胃がん、大腸がん
- CYFRA(シフラ) (3.5ng/ml以下) 肺がん
- DPD(デオキシピリジノリン) (男2.1〜5.4nmol/mmol・Cr、女2.8〜7.6nmol/mmol・Cr) がんの骨移転
- DUPAN-2 (150U/ml以下) 消化器系がん
- hCG (0.2ng/ml以下) 卵巣がん、精巣がん
- IAP(免疫抑制酸性蛋白) (500μg/ml以下)
- KMO-1 (530U/ml以下) 消化器系がん
- NCC-ST-439 (7U/ml以下) 消化器系がん
- NSE(神経特異エノラーゼ) (10ng/ml以下) 小細胞肺がん
- p53抗体
- PA(PSA)(前立腺特異抗原) (4ng/ml以下) 前立腺がん
- PAP(前立腺性酸性ホスファターゼ) (4ng/ml以下) 前立腺がん
- PIVKA-II (40mAU/ml以下) 肝臓がん
- ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体) (46.0pg/ml以下) 肺がん
- PSA (4.0ng/ml以下) 前立腺がん
- SCC(扁平上皮癌関連抗原) (1.5ng/ml以下) 扁平上皮がん
- SLX、シアリルSSEA-1抗原 (38.0U/ml以下) 肺がん、消化器がん
- SPan-1 (37U/ml以下) 膵臓がん
- STN(シアリルTn抗原) (45U/ml以下) 卵巣がん
- TPA(組織ポリペプチド抗原) (70U/l以下)
- エラスターゼ-1 (300ng/dl以下) 膵臓がん
- フェリチン (275ng/ml以下) 白血病、骨髄腫
- ポリアミン(尿) (0〜45μmol/g・Cr)
- γ-Sm(γ-セミノプロテイン) (4.0ng/ml以下) 前立腺がん
再検索