水力発電
読み:すいりょくはつでん
水の位置エネルギーを運動エネルギーに変換し、発電機を回すことで発電を行なうこと。このための設備を備えた発電所を水力発電所という。
概要
水力発電は、高い所(ダム)に貯めた水を低い所に落とし、その力(位置エネルギー)を使って水車を廻し、水車に繋がっている発電機を動かして電気を作り出す発電方法である。
水を落とした後はそれっきりだが、夜間の余剰電力を使って再びダムに汲み上げ、昼間必要なときに再び落として発電する「充電」も可能で、これを揚水発電という。余剰電力を位置エネルギーとして保存できる。
特徴
種類
- 水力発電(狭義) ‐ 水を重力落下させ、水車が付いた発電機を回す方式
- 揚水発電 ‐ 電気が余る夜間に水を汲み上げておき、昼間に水を落下させて発電する水力発電。余剰電力を位置エネルギーとして保存するのが特徴
- マイクロ水力発電 ‐ 超小規模の水力発電で、川、用水路、下水管などに小型発電機を設置するもの
利点
火力発電にせよ原子力発電にせよ、そのエネルギー源の殆どは輸入に頼っている。しかし水が豊富な我が国は、水は純国産で賄うことが可能という利点がある。
- 純国産のエネルギーである
- 再生可能(自然環境の中で繰り返し利用できる)エネルギーである
- 地球温暖化の原因の一つとされている二酸化炭素を排出しない
この他にも、様々な利点を持っている。
欠点
日本は、この利点のため、国策として数多くのダムと水力発電所を国内に建設してきた。
長時間発電機を廻しつづけるためには、それなりの水量が必要であり、水を蓄えるためには結果としてダムが必須となる。しかし、ダムは川に作るが、ダムの建設はその川をせき止め、そしてその川の周辺を水の底に沈めるということであり、いくつもの村や集落が水没するばかりか、多くの自然も失われることになる。自然破壊の極みである。
それでも背に腹は代えられないため国内に多数のダムが作られてきたが、日本国内においては、もはや新規にダムが建設できる場所は限られており、新たな水力発電所を作る余裕は殆どない。
再検索