本初子午線
読み:ほんしょしごせん

 子午線のうち、経度0度と定義された、基準となる子午線。
目次

概要
 本初子午線は、赤道などと違って自然成立する明確な基準がないため、人為的に設定する必要がある。このため、歴史的に様々な本初子午線が使われてきた。
 古くメルカトルの時代は、当時存在が信じられていたアニアン海峡の経度が経度0°であった。これは現在の西経25度線付近である。
 またフランスは、パリを通る子午線を本初子午線として主張していた。
 実際には、イギリス・ロンドン郊外にあったグリニッジ天文台の館長フラムスティードが作成した星図が航海で広く使われるようになったことから、この功績によりグリニッジ天文台を通るグリニッジ子午線が長く海図などで本初子午線として使われた。具体的には、グリニッジ天文台の本館に置かれた子午環が基準となった。

特徴

現在の本初子午線
 2014(平成26)年現在、基準となる本初子午線は、国際地球回転・基準系事業(IERS)が定義した「IERS基準子午線」である。
 この子午線は、先に使われていたグリニッジ子午線より東に約5.3秒、距離にして約335フィート(102m)離れている。
 これを本初子午線とした測地系が世界測地系(WGS-84)であり、アメリカのGPS衛星が用いているほか、国際水路機関も世界測地系を採用しており現在の海図はすべて世界測地系で描かれている。
 なお、この位置が本初子午線になった理由は、GPSの前身であるTRANSIT衛星が座標系として北米測地系1927(NAD27)を採用したことに由来している。

半球
 地球はほぼ球であるとみなせる(実際には楕円体)ため、本初子午線と、ちょうど地球の裏側となる180度の子午線とともに、大きな円を描くことができる。
 この円を基準として地球は二つの半球に分けられ、うち本初子午線の東側の半球を東半球、西側の半球を西半球という。そして、東半球の経度は東経、西半球の経度は西経という。

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