数詞 (IUPAC命名法)
読み:すうし
IUPAC命名法で使われる数詞。ギリシャ語から採られている。
概要
1桁と10の位、100の位、1000の位などの呼称が決められている。
なお、2桁も11と12は特定の名称が存在する。20以上の下一桁1と2は専用の数詞(hen-とdo-)を使う。
途中の数字を表わす場合は、1の位、10の位、100の位、1000の位の順、つまり小さな桁から大きな桁の順に、逆順に繋げて呼ぶ。
例えば758なら、次のようになる(具体的な数詞は後述)。
- 8 octa-
- 50 pentaconta-
- 700 heptacta-
octa- + pentaconta- + heptacta- → octapentacontaheptacta-
同様に1234なら、次のようになる(具体的な数詞は後述)。
- 4 tetra-
- 30 triaconta-
- 200 dicta-
- 1000 kilia-
tetra- + triaconta- + dicta- + kilia- → tetratriacontadictakilia-
数詞
1桁
- 1 モノ mono- (他の桁と繋ぐ場合のみ、hen-)
- 2 ジ di- (他の桁と繋ぐ場合のみ、do-)
- 3 トリ tri-
- 4 テトラ tetra-
- 5 ペンタ penta-
- 6 ヘキサ hexa-
- 7 ヘプタ hepta-
- 8 オクタ octa-
- 9 ノナ nona-
2桁
- 10 デカ deca-
- 11 ウンデカ undeca- (下1桁込みで)
- 12 ドデカ dodeca- (下1桁込みで)
- 20 (エ)イコサ (e)icosa-
- 30 トリアコンタ triaconta-
- 40 テトラコンタ tetraconta-
- 50 ペンタコンタ pentaconta-
- 60 ヘキサコンタ hexaconta-
- 70 ヘプタコンタ heptaconta-
- 80 オクタコンタ octaconta-
- 90 ノナコンタ nonaconta-
3桁
- 100 ヘクタ hecta-
- 200 デクタ dicta-
- 300 トリクタ tricta-
- 400 テトラクタ tetracta-
- 500 ペンタクタ pentacta-
- 600 ヘキサクタ hexacta-
- 700 ヘプタクタ heptacta-
- 800 オクタクタ octacta-
- 900 ノナクタ nonacta-
4桁
- 1000 キラ kilia-
- 2000 ジリア dilia-
- 3000 トリリア trilia-
- 4000 テトラリア tetralia-
- 5000 ペンタリア pentalia-
- 6000 ヘキサリア hexalia-
- 7000 ヘプタリア heptalia-
- 8000 オクタリア octalia-
- 9000 ノナリア nonalia-
補足
11と12は例外としてウンデカ(undeca-)、ドデカ(dodeca-)という固有の数詞があるが、21以降は、通常の命名方法を使う。
但し、結合する場合の1と2は、おのおのhen-とdo-になるため、注意が必要である。なお、母音が重なる場合は後の母音を削除する。具体的には、次の通り。
- 20 icosa- → イコサ(icosa-)
- 21 hen- + icosa- → ヘンイコサ(henicosa-)
- 22 do- + cosa- → ドコサ(docosa-)
- 23 tri- + cosa- → トリコサ(tricosa-)
なお、IUPAC命名法と同様に国際的な化学名の一つであるCAS命名法では若干相違があるため注意が必要である。20がエイコサであること、母音が重なっても削除しないことがある。具体的には、次の通り
- 20 eicosa- → エイコサ(eicosa-) [CAS命名法]
- 21 hen- + eicosa- → ヘンエイコサ(heneicosa-) [CAS命名法]
- 22 do- + eicosa- → ドエイコサ(doeicosa-) [CAS命名法]
- 23 tri- + eicosa- → トリエイコサ(trieicosa-) [CAS命名法]
IUPACにせよCASにせよ、和名としてカタカナにする場合は各構成要素ごとに字訳するのが日本化学会のルールであり、従ってhen+icosaをヘニコサのように連声(リエゾン)しない。
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