凝固点降下
読み:ぎょうこてんこうか
溶媒に溶質を溶かしたときに、凝固点が下がること。
概要
例えば1気圧において、水に食塩を溶かすと0℃になっても凍らなくなる。
同様に、1気圧において、氷に食塩を掛けておくと0℃よりも低い温度で溶けるようになる。これはつまり凝固点/融点が下がっているということである。
特徴
水は、凝固点である0℃の状態では液体と固体の平衡状態になっている。
これに溶質を溶かすと溶媒の濃度が小さくなるため、凝固する水分子に対して融解する水分子の量が多くなる。水が融解する際には熱を吸収するので、溶液の温度は次第に下がり、やがて溶解する水分子と凝固する水分子が平衡状態となる。この時が凝固点であり、0℃より低くなる。これが凝固点降下である。
凝固点がどの程度降下するかは溶媒によって異なり、同じ溶媒であれば溶質のモル数に比例する。ただし、水中でイオン解離するような溶質では、イオンの総モル数に比例する。つまり、1mol/lの食塩の凝固点は2mol/lの蔗糖水溶液の凝固点にほぼ等しい。
水に塩化ナトリウムなどが溶け込んでいる海水の場合、凝固点は-2℃程度まで下がっている。
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