三極真空管
読み:さんきょく-しんくうかん
外語:triode
電極数が三つの
真空管
のこと。通称は「三極管」または「トライオード」。
目次
概要
特徴
由来
端子
電源
スイッチ
代表的な管
概要
プレート
(
アノード
)と
カソード
、その中間に
グリッド
が存在する真空管である。
真空管ではプレートからカソードに電流が流れるが、この調整をするため、間にグリッドを挟んだ。グリッドとカソード間に電圧を掛け、この電圧によって流れる電流量を調整することができる。
かくして、最初に発明され実用化された、増幅作用のある真空管である。
現在の
トランジスタ
に相当する機能を持っている。真空管アンプなど、増幅に用いる真空管は三極真空管などが多い。
特徴
由来
1904(明治37)年にイギリスの電気工学者
フレミング
の手によって
二極真空管
が発明され、その2年後の1906(明治39)年、アメリカの発明家リー・ド・フォレストによって発明された。
プレートと
フィラメント
の間にグリッドという金網状の電極を入れ、これに負の電圧をかけて変化させると、プレート‐フィラメント間の電流を大きく変化させられることを発見し、初めての増幅作用を持つ素子「三極真空管」が誕生した。
端子
真空管は設計にもよるが、三極真空管の場合、次の四種類の端子がある。
プレート
(P)
グリッド
(G)
カソード
(K)
ヒーター
(H)
トランジスタより電極数が多いが、これは、真空管は加熱しないと動作しないためである。
トランジスタでは、プレートが
コレクタ
、グリッドが
ベース
、カソードが
エミッタ
に、それぞれ相当する。
電源
真空管の設計にもよるが、概ね2種類から3種類の電源が必要となり、各々で電圧も異なる。
A電源 ‐ ヒーター用電源 6V程度
B電源 ‐ プレート用電源 45Vや67.5Vなど
C電源 ‐ グリッド用電源 0V〜6V程度
A電源とC電源は同じ電圧で使える(ことが多い)が、B電源だけは特別で、高い電圧が必要となる。
スイッチ
トランジスタと同様、真空管の増幅作用による電子の流れを制御する機能は、同時にスイッチ作用にも用いることができた。
これを利用して作られたのが真空管式のコンピューターである。論理回路用には最低でも三極管が必要ということになるが、かといって二値論理を扱う分には四極以上の必要もない。そこで三極管を使うが、スペースの節約も必要だったため、二本分を一本のガラス管に封入した複合管が使われた。これが
双三極管
である。
代表的な管
300B
2A3
6G4B
50CA10
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