ディープインパクト
読み:ディープ-インパクト
外語:Deep Impact

 アメリカNASAの彗星探査計画で、ディスカバリー計画の一環として計画された。およびこの計画で用いられた探査機の名。
 探査機はフライバイ機とインパクター(実験体)から構成されている。テンペル第一彗星(9P/Tempel-1)に接近した探査機から、重さ約370kgの銅製のインパクター(実験体)を彗星に打ち込み、破片やクレーターを観測して彗星核の内部構造や強度などを調べる計画である。
 2005(平成17)年1月13日03:47:08(JST)(12日@824)にケープカナベラル空軍基地の17-B発射台からデルタ2ロケットで打ち上げられた。探査機はアメリカ独立記念日である2005(平成17)年7月4日14:50(JST)(@284)に彗星に到着し、実験体が彗星核に打ち込まれた。
 約370kgの実験体(インパクター)は直径約1[m]。追突前日に、彗星より約500kmの距離にある本体から分離され、約10[km/s](36,000[km/h]・86,400[km/hBeat])という速度で彗星に衝突された。衝撃によって彗星表面に直径100m、深さ25m程度のクレーターができるた予想されている。このクレーターがどのようにでき、どのような現象が起こるかを観測することが主要な目的で、探査機に搭載した赤外スペクトルカメラで撮影された観測結果を地球へ送信する予定である。ちなみに実験体が銅製であるのは、彗星から生じた物質とスペクトルで区別可能にするためである。
 また、衝突実験によりできたクレーターから内部物質が噴出し、一時的に光度が増すことも予想されており、地球からも肉眼で見るほどに明るくなる可能性があるため、これを地上望遠鏡によっても観測する。
 彗星は小惑星と共に約46億年前に作られた太陽系の惑星の残骸で、この当時の情報をあまり変えずに残していると考えられている。このことから、ディープインパクトにより地球ほか惑星の誕生に関する様々な情報が得られるものと期待されている。
 この実験体には世界中から募集した名前を刻んだCDが搭載されている。このCDに名を乗せるための "搭乗手続き" は2003(平成15)年1月31日まで実施され、世界中から55万人以上の名前が登録された。
 探査機の名前Deep Impactは、彗星が地球に衝突するときのパニックを描いたスティーブン・スピルバーグ製作総指揮の同名ハリウッド映画に由来する。

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