ダークエネルギー
読み:ダークエネルギー
外語:dark energy
暗黒エネルギー。宇宙が、自らの重力で引き合い縮まないようにする反発力のこと。
概要
宇宙の膨張に関わり、アインシュタインが提唱した宇宙項(宇宙定数)に対応するとされる正体不明のエネルギーである。
ダークエネルギーは、宇宙全体のエネルギー密度の73%を占めると考えられている。
しかし、実際にそれがどういうものなのかは、依然として不明である。
特徴
エネルギー密度
スミソニアン天体物理観測所の研究チームは、X線天文衛星チャンドラを使った観測に基づく、実証論を発見した。
これは、ダークエネルギーのエネルギー密度は時間によらず不変であるらしい、ということが論の要点である。
もし、これが時間に対して増加関数となっていると、宇宙の膨張速度は加速し、やがて銀河、星、原子までもがバラバラになる可能性がある。これをビッグリップ(Big Rip)という。
しかし研究チームの調査によれば、それは無さそうだ、としている。研究チームは、この調査はダークエネルギーが宇宙定数であるという強力な証拠である、としている。
観測事実
この研究では、赤方偏移0.05程度の比較的近距離と、0.55程度の比較的遠距離にある銀河団の大きさを数十個ずつ観測して比較している。
銀河団は、宇宙初期の密度ゆらぎが種となり物質が集まって出来た巨大な構造である。重力により物質が集まり巨大化するが、それだけではなくダークエネルギーによりバラバラに分解される力も働き、結果として規模にある程度の上限が出来ると考えられた。
従って、規模の上限を地球の近所と遠方とで比較すれば、場所によりダークエネルギーの強さが違うかどうかが分かる。
さて、光速が有限である以上、見える遠くの宇宙は「昔の宇宙の姿」である。従って場所(地球からの距離)により銀河団の規模の上限が違っていたなら、それは時間と共にダークエネルギーの強さが変化している証拠となる。
しかしこの研究チームの観測結果では、そのような違いは見られなかった。
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