ジフテリア
読み:ジフテリア
外語:DPT: diphtheria

 ジフテリア菌への感染により引き起こされる疾病。
目次

病因
 ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)は飛沫感染により、主に咽頭から鼻に感染する。
 感染箇所に応じて、次のように分けられる。
 1981(昭和56)年のワクチン導入により国内でのジフテリア感染者は殆どいなくなったが、ジフテリアは感染しても一割程度の人にしか症状が出ず、残りは保菌者となって、他人への感染源となる。

病態

臨床症状
 高熱、喉の痛み、咳、嘔吐などの症状がある。
 鼻ジフテリアは乳児に多い。咽頭に拡大しやすい。
 皮膚ジフテリアは、火傷や擦り傷などから感染するものである。
 咽頭ジフテリアは小児や学童に多く、ジフテリア感染の中では最も多い。咽頭に偽膜を形成するのが特徴。偽膜は厚く硬く、また下部組織に固着するため剥がしにくく、無理に剥がそうとすると出血する。
 喉頭ジフテリアは咽頭ジフテリアの偽膜が喉頭に広がったものである。気道閉塞を起こし、また寛解期には偽膜が破れ、これにより窒息死に至ることもあるので注意が必要である。

合併症
 発病後2〜3週間後には菌の出す毒素により心筋障害を起こすことがある。この時期は、ちょうど回復期にあたるため、注意が必要。
 また発病後数日中に末鞘神経炎を併発する。軟口蓋や後部咽頭の麻痺から始まるが、2〜6週間後には脳神経麻痺を起こす恐れもある。主として冒されるのは運動神経で、知覚神経は少ないとされる。

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