キログラム原器
読み:キログラムげんき
質量および重量の単位キログラムの基準となっていた器具のこと。国際単位系では、かつてはこの質量が1kgであると定義されていた。
概要
SIにおいては、質量の定義は普遍的物理量によらず、長く人工物によっていた。
この基準が「国際キログラム原器」であり、フランスの国際度量衡局(BIPM)が保管していたが、プランク定数を正確に定義することでキログラムの定義も改められ、もってこの原器も遂に現役を退くこととなった。
特徴
材質と形状
1875(明治8)年にメートル条約が締結されてから、経年劣化などが小さい合金の研究がなされた。
結果、1879(明治12)年に白金90%、イリジウム10%の合金による原器が3個作られ、このうちの一つが「国際キログラム原器」となった。
原器は直径、高さ共に39mmの円柱形である。
国際キログラム原器は、三重の気密容器の中に収められている。
配布
原器作成に成功した後、まず40個の複製原器が作られ、各国に配布されている。
その複製の一つNo.6は「日本国キログラム原器」となり中央度量衡器検定所(現・独立行政法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター)にて保管・管理されている。
日本国が入手した原器は、次の通りである。
- 日本国キログラム原器 (No.6)
- キログラム副原器 3個
- キログラム副原器 (No.30)
- キログラム副原器 (No.39) → その後南鮮へ譲渡され破損
- キログラム副原器 (No.E59)
No.E59は、1963(昭和38)年に新造された複製原器である。
なお、本物のキログラム原器は破損したら大問題となるため、大臣であってもガラス容器越しにしか見ることは出来ず、まして一般公開などはされていない。展示用には模造品(レプリカ)が作られており、これは国立科学博物館などで公開され一般人でも見ることができる。
重要文化財
かつて使われ、現役を引退したメートル原器は重要文化財に指定されている。
2019(令和元)年5月20日、キログラムの定義が変更されたことでキログラム原器も遂に現役を引退したが、同様に将来的に重要文化財に指定される可能性がある。
再検索