アポトーシス
読み:アポトーシス
外語:apoptosis
計画細胞死。正常な細胞は、成熟分化すると、自動的に死ぬようにプログラムされている。これをアポトーシスという。
概要
分かりやすい例として、オタマジャクシからカエルへ変わる際に尻尾が無くなる現象が挙げられる。アポトーシスによって尻尾の細胞が死ぬため、尻尾がなくなるのである。
また、人間の手の指も、胎児期は水掻きのようなものが付いているが、アポトーシスによって細胞が死んで行くため、生まれるまでには5本の指にきちんと分かれることになる。
これらは全て計画細胞死であり、細胞の死に方(いうなれば自殺)は、あらかじめプログラミングされた手順に従う。よって、必要な部分で死んだりはしないし、逆に不必要な部分で生き残ったりもしない。
細胞の死に方
細胞の死に方も、熱傷(火傷)などによる死に方(ネクローシス)と違い、細胞が縮小して核内のDNAが規則的な長さに切断され、やがてマクロファージによって捕食され始末される。
準備は万端で、全ての手順は遺伝子に書き込まれた方法に従う。
理由
生物がこのような機構をとるのは、いくつかのケースがある。
一つは生体防御である。ウイルスに感染した細胞が自殺することで更なる感染を防ぐことができる。
もう一つは生体形成だが、指が5本に分かれるために、まず大まかな形を作っておいて、後から細かく修正するような仕組み、ともいえる。
がん
ところが、細胞ががん化すると、この計画細胞死が起こらない。そのため細胞が無制限に増え続け、やがてがん組織となる。
言いかえれば、計画細胞死がおこらなくなった細胞ががん細胞である。
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