へびつかい座
読み:へびつかいざ
外語:Oph: Ophiuchus
トレミーの48星座の一つ。黄道十二星座には含まれていないが、星占いに使われる黄道13星座には含まれている。
赤経17h 10m、赤緯-4°付近に位置する、夏の南空に現われる星座で、さそり座の上(北)にある。東西に細長いへび座と一体となっている。
ギリシャ神話ではアポロンとコロニスの間に生まれた名医のアスクレピオス。馬人ケンタウルス族のケイロンから医術を学び、大蛇を治療に使うなどの優れた術で死人をも生き返らせたという。それをみた冥府の王ハデスは生死の秩序が乱れるとゼウスに訴え、ゼウスも仕方なくアスクレピオスを雷で打ち殺してしまった。その後ゼウスはアスクレピオスを天に上げ、へびつかい座としたとされる。
α星ラス・アルハゲ(Ras Alhague)、β星ケバルライ(Cebalrai)、γ星ムリフェン(Muliphen)、δ星イェド・プリオル(Yed Prior)、ε星イェド・ポステリオル(Yed Posterior)、η星サビク(Sabik)、λ星マルフィク(Marfic)。
へびつかい座は目立って明るい星のない、地味な星座ではあるが、天文学的には色々と見所の多い星座である。例えばアスクレピオスの頭のほうにあるバーナード星は地球から僅か5.91光年と近く、固有運動の非常に大きい恒星として知られる。
また球状星団が多いという特徴もある。メシエ天体だけでもM9、M10、M12、M14、M19、M62、M107と7個もある。
代表的な恒星
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┃ 名前 ┃等級 型 ┃ 赤経 (J2000.0) 赤緯 ┃HD 番号 HR┃
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┃αOph ┃ 2.1┃A5III ┃17h 34.9m │+12°34′ ┃159561│6556┃
┃βOph ┃ 2.8┃K2IIICN0.5 ┃17h 43.5m │+04°34′ ┃161096│6603┃
┃γOph ┃ 3.8┃A0Vnp ┃17h 47.9m │+02°42′ ┃161868│6629┃
┃δOph ┃ 2.7┃M0.5III ┃16h 14.3m │−03°42′ ┃146051│6056┃
┃εOph ┃ 3.2┃G9.5IIIb ┃16h 18.3m │−04°42′ ┃146791│6075┃
┃ζOph ┃ 2.6┃O9.5Vn ┃16h 37.2m │−10°34′ ┃149757│6175┃
┃ηOph ┃ 2.4┃A2V ┃17h 10.4m │−15°43′ ┃155125│6378┃
┃λOph ┃ 3.9┃A0V+A4V ┃16h 30.9m │+01°59′ ┃148857│6149┃
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代表的な星雲・星団
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┃カタログ名 ┃等級 型 ┃ 赤経 (J2000.0) 赤緯 ┃
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┃M9 │NGC 6333┃ 7.3┃球状 VIII ┃17h 19.2m │−18°31′ ┃
┃M10 │NGC 6254┃ 6.7┃球状 VII ┃16h 57.1m │−04°06′ ┃
┃M12 │NGC 6218┃ 6.6┃球状 IX ┃16h 47.2m │−01°57′ ┃
┃M14 │NGC 6402┃ 7.7┃球状 VIII ┃17h 37.6m │−03°15′ ┃
┃M19 │NGC 6273┃ 6.6┃球状 VIII ┃17h 02.6m │−26°16′ ┃
┃M62 │NGC 6266┃ 6.6┃球状 IV ┃17h 01.2m │−30°07′ ┃
┃M107│NGC 6171┃ 9.2┃球状 X ┃17h 17.4m │−21°01′ ┃
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