4次元時空
読み:よじげん-じくう
外語:four dimensions space-time

 3次元空間に、時間を第四の次元として追加した4次元のこと。
目次

概念
 この世界は3次元空間であり、広さと高さという自由度がある。
 しかし同じ場所であっても時刻により状況が移り変わることを考えると、もう一軸、時間を目盛りとして持つ時間軸が第四の次元として存在する、と考えられる。この概念が、4次元時空である。

特徴

性質
 空間軸と時間軸は、大きく性質が異なる。空間は3次元だが、時間は過去から現在そして未来へと向かう一本道なので、1次元のみである。その上、時間は自由に行き来できないどころか、現在の時刻に踏みとどまることさえ出来ない。
 また、空間の上下左右に優劣が無いように、空間軸はプラス方向、マイナス方向は対等である。ところが時間は、過去と未来は対等ではない。過去は未来に影響を与えることはできるが、未来は過去に影響を与えることは出来ないのである。このようなことを「時間の矢」と呼ぶ。
 このように、空間と時間はとても対等なものとは言いづらく、19世紀まではこれを統合して考えられることは無かった。

特殊相対性理論
 空間と時間は一体であることを見いだしたのは、アインシュタインである。
 古典物理学においては、空間と時間は絶対的なものであった。しかし、アインシュタインの特殊相対性理論はそれを否定し、この宇宙で絶対的なものは「光速」だけとした。
 この理論により、立場により空間や時間は伸び縮みすると予言された。特殊相対性理論によると、空間が伸縮する時には、必ず時間も伸縮する。つまり、時間と空間は切っても切れない関係にあることが分かった。
 かくしてアインシュタインは、この宇宙の3次元空間と、1次元の時間を一体化し、これを4次元時空と呼んだのである。

4次元時空の曲がり
 アインシュタインが完成させた一般相対性理論によると、4次元時空は「曲がる」。より具体的には、3次元空間は曲がり、時間は遅れる。
 例えば、これによって「リンゴの落下」は次のように説明できる。「地球が存在すると、その周辺の4次元時空は曲がる。そこにあるリンゴは、その4次元時空の曲がりに従って、坂道を転がるようにして地球に向かっていく」。
 一般相対性理論による4次元時空の説明を受け入れれば、この世に重力などは存在しない、ということである。

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