銀河間物質
読み:ぎんがかんぶっしつ
銀河と銀河の間の空間(銀河間空間)に存在する物質のこと。
概要
宇宙には銀河が無数に存在しており、銀河には膨大な量の物質などが存在する。
一方、その間の空間である銀河間空間は一見何もなさそうな無味乾燥な空間が広がっているかのようではあるが、実際には様々な原子、イオン、電子からなるガス雲が薄く広がっており、なおかつそれらはさまざまなムラ(斑)をもって存在している。これが銀河間物質である。
宇宙に存在する通常の物質(バリオン)の殆どは、銀河ではなくこの銀河間物質として存在していると考えられている。銀河間物質には場所により濃淡のムラ(斑)があるため、その濃い部分の重力によって更に物質が集まると、やがて銀河が形作られると考えられている。
現在の銀河は、約138億年前のビッグバンから数10億年程度の間に、このような物質が集まりガス雲が形作られ、ガス雲が更に集まってできたと考えられている。
特徴
銀河間物質が存在することは、天体の電波観測が始まった1950年代には既に認識されていた。
この銀河間物質が宇宙全体に存在することが知られるようになったのは1960年代になり遠方に発見されたクエーサーのスペクトル観測が始まってからで、クエーサーと地球との間で何らかの銀河間のガス雲による吸収線スペクトルが普遍的に観測されることが判明してからである。
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