赤色矮星 |
辞書:科学用語の基礎知識 天文学天体用語編 (USTLY) |
読み:せきしょくわいせい |
外語:red dwarf star |
品詞:名詞 |
|
概要 |
この天体は暗く、また表面温度が低いため赤く見える。核融合反応もゆっくりとしか進行しないため、その寿命は1000億年を超えるといわれる。
質量は、最も軽いもので太陽質量の8%程度しかない。これより軽い天体では中心核で核融合反応が始まらないため恒星になることができず、褐色矮星と呼ばれる。
特徴 |
分類 |
光度階級では他の主系列星と同じくVとなる。
スペクトル型はM型が多いが、一部にはK型(のうちの低温のもの)もある。
分布 |
太陽近傍の恒星としては、最も多いタイプとされる。
しかし、近くても暗くて観測が困難であることから暗黒物質(ダークマター)の一つとして数えられ、そのうちMACHOと呼ばれるものに属する。
寿命と最期 |
寿命が長く、少なくとも1000億年、長いもので一説では10兆年にもなるとする仮説がある。太陽の寿命が約100億年であるので、少なくともその10倍以上長生きすることになるが、しかしこの宇宙の年齢が約138億年であるため、この宇宙においてはまだ寿命が尽きた赤色矮星は存在していないと考えられている。
寿命を終える時の姿については幾説が仮説があるが、水素の核融合が終わった後もヘリウムの核融合が始まるほど高温にはならないため、それ以上の核融合はなく赤色巨星などにはならず、そのまま白色矮星になるとされる。このようなヘリウムの核融合反応を起こせずに白色矮星になったものは「ヘリウム型白色矮星」と呼ぶが、前述の理由により、この宇宙にはまだこのような天体は存在していないと考えられる。
また他の仮説では、水素を燃やし尽くした後は「青色矮星」とされる状態になるとする。通常の恒星であればエネルギー放出の平衡を保つため大型化し赤色巨星となって表面積を増やすが、赤色矮星には赤色巨星になれるほどの質量はないため、代わりに温度上昇によってエネルギー放出量を増やし青色になるとする。そして水素が完全に燃え尽きたところで白色矮星になるとされる。この青色矮星も、前述の理由により、この宇宙にはまだ存在していないと考えられる。
主な赤色矮星 |
主な赤色矮星は次の通り。惑星が知られるものも多いが、詳細はグリーゼ近傍恒星カタログを参照のこと。
リンク |
通信用語の基礎知識検索システム WDIC Explorer Ver 7.04a (27-May-2022) Search System : Copyright © Mirai corporation Dictionary : Copyright © WDIC Creators club |