蜘蛛膜下出血 |
辞書:科学用語の基礎知識 医学・情報編 (BMEDI) |
読み:くもまっかしゅっけつ |
外語:subarachnoid hemorrhage |
品詞:名詞 |
脳卒中の一病態で、脳の表面を走る動脈に出来た瘤(動脈瘤)が破裂する(脳動脈瘤破裂)症状。「蜘蛛」の字が当用漢字から漏れたため「クモ膜下出血」とも書かれる。
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概要 |
脳の表面は、内層より外に向かい、脳軟膜、蜘蛛膜(クモ膜)、脳硬膜という三層の髄膜に覆われていて、さらに外は頭蓋骨により護られている。
このうち脳軟膜と蜘蛛膜の間には細い血管が走っているが、この血管の脳動脈瘤や脳動脈硬化を原因として出血し、脳脊髄液に血液が混入する状態を蜘蛛膜下出血という。
特徴 |
病態 |
蜘蛛膜下出血が起こると、出血により脳表面に血液が充満し、何の前ぶれもなく、突然激しい頭痛(ハンマーで殴られたような、などと表現される)に襲われる。ジワジワと痛むということは、蜘蛛膜下出血に限っては存在しない。
もって嘔吐したり意識を失ったり昏睡状態に陥ったりし、最悪の場合で死に致ることも少なくない。
治療によって出血を止めても、脳へのダメージが大きいほか、脳脊髄液の流れが悪くなる水頭症、脳内血腫などの合併症を少なからず来す。このため、医学が進んだ日本においてもなお、社会復帰できる患者は20%程度に留まっている。
治療 |
治療は、とりあえずは出血を止めることが求められる。現在ではいくつか方法がある。
基本的には、つぎの何れかの選択となる。
どの治療を選択するかは、病態の重篤度や、動脈瘤の部位、大きさ、形状等から総合的に判断される。
手術 |
頭蓋骨を開き、患部である出血元を直接外科的に治療する。
いくつか方法はあるが、脳動脈瘤の付け根をクリップ(脳動脈瘤クリップ)で挾んで、動脈瘤から出血しないようにする術例が多い。
頭蓋骨は開かず、血管の中より何らかの方法で治療する。
よくある術例では、太もも付け根の動脈より細いカテーテルを通し、血管を辿って脳まで運び、先端を脳動脈瘤まで誘導する。そして脳動脈瘤に細いコイル(マイクロコイル)を詰め込んで、内部を塞ぎ出血しないようにする。
リンク |
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