蛍光灯器具
読み:けいこうとうきぐ
天井や壁に直付けすることが多い
照明器具
で、
光源
として
蛍光灯
を使用するもの。
目次
概要
特徴
回路や部品
点灯方式
三種類
点灯管不要化
点灯回路
スターター形点灯回路
インバーター式点灯回路
トラブルなど
一旦点灯しても数秒後に消える
概要
蛍光灯は
グロー放電
を利用して光るが、電流を一定化するために
安定器
が必要になる。
JIS図記号は、「○の両脇から□が伸びたもの」である。
特徴
回路や部品
蛍光灯を光らせるため、古典的なスターター形の蛍光灯器具では次のような回路や部品を使用する。
蛍光灯
(光源)
点灯回路
点灯管
(グローランプ)
雑音防止用コンデンサー (点灯管に並列に付ける)
安定器(チョークコイル)
現在は、後述するようにインバータ式が一般化している。
点灯方式
三種類
グロースターター式(グローランプ式) 点灯時に電極
フィラメント
を加熱し、放電を開始させる。放電が開始したらスターター回路が停止して電極の加熱が止まる。
安定器と
点灯管
(グローランプ)が必要。点灯までの所要時間は数秒。
ラピッドスターター式 電極フィラメントを高耐久とし、点灯中は常時加熱するもの。スターター回路(グローランプ)が不要になる。
安定器が必要。グローランプは不要。即点灯する。
インバータ式(高周波点灯式) 電源周波数をインバータ回路で変換し、蛍光灯の点灯に適した20〜50kHzの高周波を作り出すもの。
安定器もグローランプも電極加熱も不要。即点灯する。
点灯管不要化
点灯管
(グローランプ)が必要な従来型の蛍光灯器具は点灯まで遅いため、この改良の努力がなされてきた。
まず点灯管を使わず常時電流を流し加熱するラピッドスターター式が開発された。ラピッドスターター式はインバータ式蛍光灯が普及するまでは広く使われていたが、現在は省エネで、なおかつ安定器すら不要にしたインバータ式蛍光灯に移行しており、いまから新規にラピッドスタート式を導入することはあまりない。
家庭用であれば、点灯管が必要な古いものはスターター式、点灯管がなく即点灯するものはインバータ式と考えて良い。
インバータ式でも、蛍光灯の管自体は従来のグロースターター式のものがそのまま使用できるのが利点である。
点灯回路
蛍光灯は
フィラメント
に高電圧を加えて熱電子を放出させる光源であるため、蛍光灯器具にはそのための点灯回路が付けられている。
スターター形点灯回路
点灯管
を用いるスターター形の場合、次の順序で点灯する。
まず電源が入ると点灯管が放電し中のバイメタルが過熱され、やがて電極が閉じ点灯管がオンになる
点灯管がオンになると回路に電流が流れるようになり、これにより、蛍光灯両端についたフィラメントが加熱される
やがて点灯管のバイメタルが冷めると回路が開き、点灯管はオフとなる
この時に安定器(チョークコイル)に高電圧が発生し、この高電圧がフィラメントに印可されるとフィラメントは放電を開始する
放出された熱電子は内部の水銀蒸気にぶつかり、紫外線が放出される。紫外線が管内壁に塗られた蛍光塗料に照射されると可視光が発生する
安定器は放電を開始させるだけでなく、安定化する働きも有する。また、点灯管に並列に付ける雑音防止用コンデンサーは点灯時に発生する高調波ノイズを吸収する。
インバーター式点灯回路
点灯管を用いないインバーター式では点灯管も安定器も不要で、代わりに蛍光灯はインバーター式点灯回路に接続される。次のような回路である。
入力された交流のノイズを除去し、整流回路で一旦直流にする (一旦直流にするため、電源周波数
50/60Hz
を問わない)
高調波低減回路(平滑回路を含む)
インバーター回路(高周波変換回路)で、20kHz〜50kHzの高周波交流を作る
高周波安定器(電子式安定器)
蛍光灯
蛍光灯は1秒(1cBeat)程度で点灯し、ちらつきも少なく、電子式安定器は従来の安定器にあった「ジーッ」という音を発生させない。
蛍光灯に高周波を加えるため熱電子の放射回数がその分増えることから明るく高効率にもなるが、高周波を使うため電磁波ノイズの除去回路が必要になる。
トラブルなど
一旦点灯しても数秒後に消える
2本の環状型蛍光灯を使うのが家庭用の照明として一般的だが、これも、1本外してももう1本が点灯して利用できるものと、1方外すともう片方も点灯しなくなるものとがある。
後者の場合、1本の蛍光灯が切れると、もう片方も点灯が維持できないため、一旦点灯しても数秒で消えるというトラブルになる。
この場合、殆どの場合で問題は蛍光灯の寿命であるため、蛍光灯の交換が必要である。
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