石綿
読み:いしわた
外語:asbestos
アスベスト。
蛇紋岩
などが変化した、繊維状の
鉱物
。
目次
物質の情報
白石綿(クリソタイル)
茶石綿(アモサイト)
青石綿(クロシドライト)
その他
物質の特徴
危険性
用途
物質の情報
鉱物であるため、様々な種類がある。全形態のCAS番号は1332-21-4。
常温常圧では、淡緑灰色あるいは
白色
の繊維状形態の鉱物。結晶質。
白石綿(クリソタイル)
蛇紋石から得られる石綿で、最も一般的なもの。
分子式の一例がMg
3
(Si
2
O
5
)(OH)
4
。CAS番号12001-29-5、ICSC番号0014。
この石綿は、一般に有害であると考えられているが、今もなお有害ではないとする論もある。いずれにせよ規制の方向で、遠からず世界中で使われなくなるだろう。
茶石綿(アモサイト)
グリュネライト(グリュネ閃石)から得られる石綿。
分子式の一例がFe
5
Mg
2
(Si
8
O
22
)(OH)
2
。CAS番号12172-73-5。
日本では、PRTR法により特定第一種指定化学物質に指定され、また労働安全衛生法などにより、製造、輸入、販売、使用が禁止されている。
青石綿(クロシドライト)
角閃石族のリーベック閃石(曹閃石)から得られる石綿。石綿の中で最も危険とされている。
分子式の一例がNa
2
Fe
2+
3
Fe
3+
2
Si
8
O
22
(OH)
2
、
分子量
765.98。CAS番号12001-28-4、ICSC番号1314。
その他
その他にも、次のようなものがある。
透角閃石綿(トレモライト) 分子式Ca
2
Mg
5
Si
8
O
22
(OH)
2
、CAS番号77536-68-6。
緑閃石綿(アクティノライト) 分子式Ca
2
(Mg, Fe)
5
Si
8
O
22
(OH)
2
、CAS番号77536-66-4。
直閃石綿(アンソフィライト) 分子式(Mg, Fe)
7
Si
8
O
22
(OH)
2
、CAS番号77536-67-5。
物質の特徴
危険性
発がん性
があり、吸引すると肺中皮がん(悪性中皮腫)、つまり胸膜や
腹膜
の
がん
を誘発する。
また、アスベストは粉塵であるため、アスベスト肺と呼ばれる塵肺を引き起こす。
用途
石綿で編んだ布は丈夫で燃えにくいため、かつての化学系では石綿金網、オートマチック車では自動変速機の
クラッチ
摩擦材などとして頻用された。
また建築物では、吸音や
結露
防止のため、壁や天井に石綿吹きつけが施工されていた。
しかし、発がん性が判明してからは使われなくなった。
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