柱上変圧器
読み:ちゅうじょうへんあつき

 配電線の系統において、電柱上に設置され各家庭に供給する電圧を作るための変圧器
目次

概要
 国によって異なるが、一般には灰色に塗装されており、ここに高圧線を接続して、電灯(電灯線)を出力する。
 日本の場合は、6600Vを入力して、公称電圧100V200Vを出力する。

特徴

出力
 日本の場合、低圧側での電圧降下の抑制と、事故や故障時の停電範囲を極力減らすために、一つあたりの変圧器が受け持つ軒数を少なく抑えており、20kAVから50kVA程度のものが一般的である。その代わり変圧器の数を増やさざるを得なくなり、設備費は高くなる。
 海外の場合、300kVA程度の大きな変圧器を使い、ここから数十軒に電力を供給する例が多いようである。設備費が安くなる代わり、この変圧器が故障した場合の停電範囲は広くなる。


 電柱に配線される高圧線は、日本では線間電圧6600Vの三相交流が標準である。
 但し、柱上変圧器は、殆どは単相交流を入力して単相交流を出力している。3本の高圧線のうち一台の変圧器には2本が接続されている。
 一般的な需要は単相交流で、このような需要しか無いところは、電柱上には一台の変圧器しかない。三相交流200Vの需要がある場所では、電柱上には二台の変圧器が設置されており、これをV結線することで供給している。三相変圧器は高価であるほか、電柱上に三台もの変圧器は装柱できないため、効率は落ちるが二台の単相変圧器を併用している。

構造
 内部には、鉄心があり、ここにコイルが存在し、これにより電圧を変える。
 6600Vの電線2本が高圧側のコイルに繋がる。この線間電圧が6600Vである。
 反対側には低圧側のコイルがある。中央を中性線とし、これを接地すると、上下は中性線に対して100V、各線間は200Vの電圧が掛かるようになる。
 実際の柱上変圧器は、電圧降下を想定し、出力を5%増しの105Vと210Vとしている。
 これは、変圧器→配電盤→幹線→分電盤→分岐回路負荷、という経路で電力は供給されているが、幹線で3%、分岐回路で2%の電圧降下があるとされており、結果として負荷に到達するまでに5%程度の電圧降下があるためである。

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