技術試験衛星VII型「きく7号」 |
辞書:科学用語の基礎知識 天文学人工衛星編 (USATE) |
読み:ぎじゅつしけんえいせい-なながた |
外語:ETS-VII: Engineering Test Satellite VII |
品詞:固有名詞 |
1997(平成9)年11月28日にH-IIロケット6号機により打ち上げられた技術試験衛星。打ち上げ成功後に「きく7号」と命名された。
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衛星の情報 |
この衛星の開発は三菱電機である。
衛星軌道は、高度約550km、傾斜角約35°、周期約96分の円軌道だった。
特徴 |
この衛星は、将来の宇宙活動において必要となる、ランデブ・ドッキング技術、宇宙用ロボット技術を修得することを目的としたものである。
このためこの衛星は2機の衛星で構成されており、ドッキングする側のチェイサ衛星と、される側のターゲット衛星で構成される。
この衛星の名前は、公募により、ドッキングする側のチェイサ衛星が「ひこぼし」、ドッキングされる側のターゲット衛星が「おりひめ」と命名された。
経緯 |
衛星の特徴 |
実験 |
衛星は、打ち上げ後に宇宙空間で一旦二つに分離する。
その後自動操縦や遠隔操縦によって実験が実施され、ひこぼしとおりひめは、無事に世界初の無人ランデブ・ドッキング実験に成功した。
トラブルなど |
ちなみにスラスタの一つが故障し、ドッキングしようと近付くたびに安全を確保しようとして遠ざかってしまうというアクシデントが発生した。
しかし遠隔でソフトウェアを書き換えることで故障したスラスタを使わないようにして、もって無事にドッキングに成功した。
ここまでの経緯により、正常系のみならず、図らずもその後予定されていた異常系も含め、実験の大半が最初のドッキングまでに完了してしまったという逸話がある。
現状 |
衛星は1999(平成11)年12月に実験運用を終了し、その後は長期的な劣化傾向等を把握するための運用となった。
そして2002(平成14)年6月19日の運用で姿勢制御を行なう機器の動作停止を確認し、2002(平成14)年10月30日15:56(@330)に停波コマンドを送信することで、正式に衛星の運用が終了された。
なお、当時のNASDAにより、この衛星は2007(平成19)年から2012(平成24)年の間に落下することが発表されている。最大で合計400kgの部品が燃え尽きずに地表に落下する見通しだが、人的被害の確率は非常に小さいとされている。
リンク |
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