ヘリオシース
読み:ヘリオシース
外語:Heliosheath
太陽圏の鞘。ヘリオスフィア(太陽圏)の末端部。
概要
太陽風は外へと流れ、やがて恒星間風(宇宙空間に漂う電荷を持った星間ガスや磁場)と衝突し、大幅に減速される。
このとき形成される、太陽風と外部より侵入する恒星間風(星間ガス)の混合する領域を、ヘリオシースと呼ぶ。
特徴
最外郭
太陽風はなお外へと向かうが、いずれ、太陽風と星間ガスの圧力が均衡し太陽風の速度はゼロとなる。
そして、遂に太陽風の力が尽きる境界が作られる。この境界はヘリオポーズと呼ばれ、ヘリオスフィア(太陽圏)の終わりとなる。ここが太陽系の最果てになる。
探査
- 2006(平成18)年8月15日 NASAはボイジャー1号が2006(平成18)年8月16日06:13(15日@925)に100auの距離でヘリオシースに達したと発表した。
今後10年以内にヘリオシースを抜け、ヘリオポーズに達し、遂に未知の星間空間に達するとした。
- 2010(平成22)年12月13日 NASAは2010(平成22)年6月以降、観測している太陽風の速度が遂にゼロとなったと発表した。
ボイジャー1号は太陽から約174億km離れた所を秒速約17kmの速度で飛行を続けており、太陽圏(ヘリオスフィア)の端へと到達したボイジャー1号は今後4年以内に太陽圏を脱出する見通しだと発表した。
- 2012(平成24)年6月22日 ボイジャー1号は太陽から約120auの距離で太陽系外からの宇宙線の急増を確認、太陽系の端に到達したと発表した。
これはヘリオポーズ到達を意味するものと思われる。
- 2012(平成24)年8月25日 この日から1年以上後の2013(平成25)年9月12日、NASAは、この日に太陽系の外に出たと発表した。
「太陽系の端」は着眼点によって全く異なってくるので、NASAの考える「太陽系の端」が科学者の総意とは必ずしも一致していないようである。
NASAのいうように太陽系外にいるのであれば、ヘリオシース末端(ヘリオポーズ)とバウショックとの間の空間が存在することになる。
さもなくば、ボイジャー1号はまだヘリオシースの中ということになる。
なお、ボイジャー1号とは2020(令和2)年頃まで通信が可能と考えられている。
再検索