プラットフォーム・コントローラー・ハブ
読み:プラットフォーム-コントローラー-ハブ
外語:PCH: Platform Controller Hub

 Intel Core iシリーズのうち、Lynnfieldコアから採用され始めた周辺I/O制御用プロセッサー。略して「PCH」。
目次

概要
 いわゆるサウスブリッジである。
 機能および用途は、従来ICHと呼ばれていたI/O コントローラー・ハブとほぼ同じである。
 チップセットがICH/MCHと二つに分かれていた頃は、CPU周辺回路がノースブリッジであるMCHに搭載されており、ICHはMCHへと接続するバスを持っていた。
 時代は変わり、MCH相当の機能は徐々にCPUに内蔵されるようになった。当初は廉価版システム用のCPUにその傾向があったが、2011(平成23)年末に至ると、最新のプロセッサーも同様にMCHの機能を内蔵するようになった。
 こうなると、チップ「セット」とは言いながらチップは一つだけになった。これに伴い、Intelの場合、名称を「I/O」コントローラー・ハブから、「プラットフォーム」・コントローラー・ハブへと汎用化したのである。

特徴

初期
 最初のPCHは、廉価版CPU、初代Core i5用として作られたLynnfieldコア用のチップセット「Intel P55 Express」である。
 CPUと接続するバスは、従来のICHと同様DMI(Direct Media Interface)で、CPU内部にあるノースブリッジ機能に接続される。
 ただし、P55はほとんどICHと変わらなかった。

2世代目
 第二世代Core i5用として作られた、
 GPUを内蔵したClarkdaleコア用として登場したH57/H55/Q57は、DMIに加えてFDI(Flexible Display Interface)と呼ばれるバスが追加されており、これが加わったことでICHと機能の差別化がされた。FDIは4対の差動信号で、2.7GT/秒の速度があるとしている。内蔵GPUの信号が、ここから出てくる。

6シリーズ
 Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャーは、CPU自体にGPU機能を含めノースブリッジ機能を内蔵し、Intel AVXと呼ばれる新機能でGPUを汎用の演算器として利用できるようになったことを特徴とする。
 したがって廉価版でなくてもGPUが搭載されている。対応するチップセットも当然それを前提としており、やはりPCHひとつのみで構成される。
 2011(平成23)年に登場したIntel 6シリーズは、CPUのノースブリッジ機能と接続されるバスはDMIだが、速度が従来の2倍(5GT/秒)となったDMI 2.0が採用されている。
 Intel 6のうち、P67はDMIのみだが、H67は更にFDIも持っている。

再検索